EV充電関連ニュース&お知らせ

GoGoEVからのお知らせや、アンケートの結果、充電スタンド関連企業のプレスリリースを掲載しています。

2013年8月12日

【EV充電器】充電スタンド分類学

世の中には様々な場所に充電スタンドが設置されています。

EVユーザの皆さんの家庭、日産や三菱、トヨタのディーラ、高速道路上のSA・PAなど、思い浮かびます。

他に最近では、月極駐車場、コインランドリー、電気工事業者さん(近隣住民に充電器利用を開放)などの設置例も見られます。


・月極駐車場:(株)ノヴァエンタープライズ EV-PARK

・コインランドリー:(株)畑中水道 (コインランドリー前)

・近隣住民に充電器を開放する電気工事業者さん:越中電気工業(株)


これらのように、充電スタンドには様々な設置形態があることから、今回、充電スタンドの設置について分類を行ってみました。






表および図を見ると、充電スタンドは大きく、プライベート(個人使用)とパブリック(公共使用)に分けられる事がわかります。GoGoEVではパブリック充電スタンドのみを掲載していますが、実際にはプライベートスタンドはEVオーナ等が中心になり設置するタイプの充電スタンドであり、パブリック充電スタンドより遥かに多い数、設置されているとみられています。


ここで、GoGoEVの掲載対象である「パブリック充電スタンド」に絞り、充電器の選定などを少し考えてみたいと思います。


まず、パブリックスタンドには、表および図中の通り、「目的地充電」と「経路充電/緊急充電」の二つがあります。


「目的地充電」とは、EVを使って旅行する先であり、宿泊施設や商業施設、レジャー・観光施設などを指します。一方、「経路充電/緊急充電」とは、旅行の目的地に達するために途中必要な充電を都度行うものであり、高速道路上のSA・PAや道の駅、ディーラの充電器などがそれに相当します。


「経路充電/緊急充電」はその用途から必然的に急速充電器が選定される場合が多いと考えられます。一方、「目的地充電」は、比較的長時間滞在するため、普通充電器が選定される場合が多いと考えられます。


ところで、「経路充電/緊急充電」は、主に次の3つの設置目的で設置されていると思われます。

(1)EVの普及を目指すため(設置主:国、自治体、自動車会社)

(2)EVユーザの道路利用を促すため(設置主:高速道路会社等)

(3)充電ビジネスとして利益を上げるため(設置主:充電サービス提供会社)


それに引き換え、「目的地充電」は主に目的地である施設を運営している方が充電器を設置するため、次の3つの理由で設置されているので無いでしょうか。

(A)EVユーザの施設利用を期待するため

(B)企業イメージの向上のため

(C)充電ビジネスとして利益を上げるため


「目的地充電」に用いられる普通充電器の設置を設置主さんが検討する場合、悩まれているのではないかと想像するのが、「コンセントタイプ」普通充電器と「スタンドタイプ」普通充電器の選択です。


家庭の場合について先週の記事で少し考えてみましたが、おそらく家庭では「コンセントタイプ」が当面の主流と考えられます。

http://ev.gogo.gs/news/detail/1375602850/

しかし、パブリックスタンドでは、「コンセントタイプ」では少々戦力不足ではないかと筆者は考えています。それは、充電スタンドの設置目的が上記(A)〜(C)のいずれであったとしても、「スタンドタイプ」の方が優れているからです。


まず(A)について、現時点では充電器自体を設置している場所が少ないため、「コンセントタイプ」であってもEVユーザは利用したいと思います。

しかし、もし充電スタンドを自由に選べるくらい充電器台数が増加し、その時点の「コンセントタイプ」と「スタンドタイプ(ケーブル付き)」の充電条件が同じであれば、EVユーザはどちらを選ぶでしょうか?人にもよると思いますが、筆者なら、迷わず、「スタンドタイプ」を選びます。その理由は、ケーブルの出し入れが面倒だからです。


(B)についても、「コンセントタイプ」は正直、ほとんど目立ちませんし、インパクトに欠けると言わざるを得ないでしょう。しかし、「スタンドタイプ」が設置されていると、充電スタンドが設置されているという事が見て取れ、一般に向けたアピールになります。


(C)についてビジネスとして課金するためには、何らかの認証システムが必要であり、必然的に「スタンドタイプ」にならざるを得ないでしょう。



▲「パブリック充電スタンド」向けスタンドタイプ充電器例

(出典:トヨタメディアサービス)


とは言え、初期投資コストや運営コストは「コンセントタイプ」と「スタンドタイプ」で異なりますし、設置主さんが課金サービスを行うか否か、利用実績の集計などの必要の可否によって、選択は変わるでしょう。しかし、「コンセントタイプ」「スタンドタイプ」のいずれであっても設置には工事が必要であり、充電器本体費用に比べ工事費が大きい場合には、補助金が適用できる「スタンドタイプ」を選定しておく方が良いのではないでしょうか。


また、「スタンドタイプ」を設置しようと考えている方は同時に「コンセントタイプ」を設置する、「コンセントタイプ」の設置を考えている方は補助金を使い「スタンドタイプ」も同時に設置するなどを検討してみられるのも良いかもしれません。そうする事で、将来よりフレキシブルにサービス展開できる可能性が広がります。


・スタンドタイプ&コンセントタイプの両方を設置する充電スタンド例:前田電気(株)


充電スタンド&充電器市場はまだ立ち上がったばかりです。そのため、何が正解か明確に言う事は大変難しいです。しかし、自動車会社が次々とEVをリリースしている状況を考えると、今後、一定のEV台数が市場に出回る事は間違いなく、充電スタンドの設置が付加価値として認識される日も遠くないでしょう。


今回行った充電スタンドの分類が、充電器の設置を検討されておられます皆様の一助になることを願っております。


参考WEBサイト

駐車場への普通充電設備の普及促進に関する検討報告書・関西電気自動車普及推進協議会
トヨタメディアサービス・G-station

(Author:Seiichiro Kimura)

コメント投稿

コメントをするにはログインまたはユーザー登録が必要です

コメント一覧
この記事にはまだコメントが投稿されていません