【EV・PHEV】長崎県・五島のEVに関する取り組み

掲載日:2014年8月1日

皆さん「長崎EV&ITS(エビッツ)」というプロジェクトをご存知でしょうか?

以前、当コラムでもご紹介したこともあるのですが、「長崎EV&ITS」プロジェクトとは、EVを核にし、情報通信ネットワーク、エネルギーネットワークを繋げ、「EVスマート社会」や「地域型ビジネスモデル」を創造するプロジェクトです。

先日、長崎県を訪れる機会を頂き、県庁の方からプロジェクトについてお話を伺う事が出来ましたので、ご紹介致します。

●GoGoEVコラム(2013年10月28日付)
【EV島おこし】EVを利用した島おこしへの取り組み at 五島列島

以前のコラムでは、「何故、EVを利用して島おこしを行っているのか」や、「EV・PHVとITS(*1)を連動させた未来型のドライブ観光システムとは何か」という点に焦点をあててご紹介しました。そこで今回は「具体的にどのような取り組みが行われてきたのか」という点に注目してみたいと思います。

(*1)ITS:Intelligent Transport Systemsの略。日本語では高度道路交通システムと呼ばれ、人と道路と自動車の間で情報の送受信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、様々な課題を解決するためのシステム

①EV・PHEVの導入や充電インフラの整備
五島列島ではこれまで、EV・PHEVを155台を導入し、レンタカーとしての利用だけでなく、タクシーとしての利用も促してきました。レンタカーとしては、のべ37,946台もの利用(平成26年1月末)があったとのことです。
また、充電インフラは急速充電器を14カ所27台、普通充電器を26カ所34台の充電器が整備されており、五島列島の面積634.87km2と普及台数に対し、十分な充電インフラの設置状況であると言えるでしょう。

○GoGoEV充電スタンド検索
-五島町
-新上五島町

②ITSシステム利用したEV・PHEV利用者のサービスの拡充
EV・PHEV利用者の利便性向上を促す充電・インフラ設備、コンテンツ等を充実させるため、自動車メーカー、電機メーカー、官公庁をはじめとする221団体(H25.12.11時点)がコンソーシアムを組みプロジェクトを実施しています。

その中で実現したEV・PHEV利用者が現在利用できるサービスについていくつかご紹介します。

a. 長崎みらいナビin五島
このサービスは、ITSを活用することにより実現した地域主体の観光サービスで、五島に住む地元事業者や住民が、「観光情報・特産品・イベント情報」等を登録すると、EV・PHEV利用者は充電中に自動的にカーナビが情報を受け取り、リアルタイム情報を表示することができます。つまり、地元事業者はEV・PHEV利用者に対し、効果的な宣伝等を行うことが可能となります。

これまで、充電器設置主は充電スタンドが整備してもメリットが少ないと考えられていたことに対して、具体的な集客効果が期待できます。

▲長崎みらいナビin五島ウェブサイト

また、旅行前に自宅などで旅行プランを設定、それを「My Plan」に登録しておくと、現地でその情報をダウンロードできます。それにより、現地で複雑なナビ操作を必要とせず、スムーズな旅を可能とします。

▲ITSで実現する地域主体の観光サービス

他にも、あらかじめ設定されたおすすめコースを設定するだけで、添乗員による案内を受けられる旅ができたりと、様々なサービスが充実しています。

b. カーナビ機能の充実
レンタカー等に導入しているカーナビには、上記で紹介した「長崎みらいナビin五島」を活用したコース設定の他にも、目的地や経由地を最大5件まで一括設定できるシステムや、ルートにそった電池残量の予測ができるようなシステムを導入されています。

特に、ルートにそった電池残量の予測では、①現電池残量、②高低差情報、③速度等の走行状態、④ワイパー、エアコンの使用有無等の様々な情報を分析し、各地点での電池残量の予測や充電器案内をしてくれます。EVを利用する際の最大の不安の1つが電欠だと思いますが、このようなナビシステムがあるとEV初心者でも安心して電気自動車をレンタルすることができそうです。

c.充電器の稼働状況、利用状況の確認
EV・PHEVを所有している方は、充電のために充電スタンドに行ったら他の車が充電中で利用できなかったという経験があるかもしれません。これは、そんな不安を予め充電器の稼働状況、利用状況の確認することで、取り除くサービスです。

●充電スタンドの利用状況を確認できるWebサイト
- 五島市充電スタンド・利用状況
- 新上五島町充電スタンド・利用状況

以上紹介してきた他にも、太陽光発電など再生可能エネルギーとEVの充電を組み合わせたシステムの検討など長崎県の五島では多くの先進的な取り組みが実施されています。これら様々な取り組みは世界からも注目されており、2013年には「E-Visionary Award」という賞を受賞し、また、世界エネルギー機関の「EV CITY CASEBOOK」でも、ベルリンやロサンゼルスと並んで紹介されています。

●海外での紹介状況
- EVS27Awards
- EV CITY CASEBOOK(PDF)

今のところ同プロジェクトは平成26 年3月末での事業終了を予定していますが、五島では今後もEV・PHEVを核とした街おこしを実施していくそうです。長崎県庁の担当者によると「これまで長崎では、他に先駆けEV・PHEVの普及に力を入れてきた。このままで、終わっては面白くないので、これまで蓄積した知見を活用し、更なる普及だけでなく、長崎県の産業を盛り上げたい」とお話しされておりました。

非常に頼もしく感じ、今後のプロジェクトにも期待が膨らみます。今回の長崎県訪問を通じ、EV・PHEVは地球温暖化の防止といった環境面の効果だけでなく、各地域に根付いた産業を盛り上げる力があると改めて実感しました。

(コラム執筆:Toyasu)

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