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2015年8月21日

【EV充電】米国クアルコム社のワイヤレス充電技術

世界で使われている3G/4G携帯電話の多くにCDMA(Code Division Multiple Access・符号分割多元接続)という技術があります。この技術を用いたチップで世界的なシェアを持つのが米国クアルコム社です。

現在、電気自動車(EV)/プラグインハイブリッド車(PHEV)の業界で非接触(ワイヤレス)充電技術に注目が集まっていますが、このクアルコム社も携帯電話以外の無線技術の一環として充電技術の開発も行っており注目されています。そこで本日のコラムでは同社についてご紹介します。


○GoGoEV関連コラム

-【EV】世界初!走りながら充電できる高速道路!?(2015年8月17日付)

-【EV】ワイヤレス充電がもたらすもの(2015年7月27日付)

-【EV】非接触電力伝送システムで走行中の充電が可能に(TDK)(2014年10月15日付)

-【充電システム】7kW非接触充電装置を開発 (東芝)(2014年4月7日付)

-【EV充電器】ワイヤレスEV充電器の開発、ボルボ(2013年10月29日付)

○GoGoEV Q&A

-Q : 【電気自動車一般】非接触充電って何ですか?




同社が開発するワイヤレス充電技術を同社は「Qualcomm Halo」と呼んでいます。その技術は携帯電話のワイヤレス充電技術と基本的には同じであり、充電器のある上にEV/PHEVが乗れば充電が始まります。また同社の技術紹介ビデオによると、先日ご紹介したような高速道路上での走行時充電なども想定しているようです。

▲Qualcomm Halo技術紹介ビデオ


とは言え、ワイヤレス充電技術で一番心配なのが、人間や動物などの生体への影響になります。例えばペースメーカーや義足などを付けた人がワイヤレス充電器の上に立ったりした場合、人に影響を与えないかということです。


それに対する同社のワイヤレス充電技術のデモンストレーションビデオを見つけましたのでご紹介します。以下の動画の53秒くらいからご覧ください。


ワイヤレス充電器の上にコーラの缶が置かれた場合、充電器はそれが金属であることを認識できます。一方で、石など金属以外の場合には、反応せず、一方でコインが置かれると即座に認識しています。つまり、人への影響は与えないようにし、またEVの受信側のみを認識し充電するできるということになります。


ところで冒頭で少し申し上げましたがクアルコム社は元々通信機の無線技術メーカーであり、携帯電話の基地局やチップ開発なども行っていました。しかし、それらハードの開発、製造は既に事業を売却し、現在自社では技術開発のみに特化するファブレスメーカーとなっています。そのため、実際に製品を世に送るためには様々な企業との連携が必須となります。


今年に入りクアルコム社は独ダイムラー社ならびに独BRUSA社と提携、ダイムラーはメルセデスベンツなどブランドで良く知られた自動車メーカーであり、BRUSA社は完成車メーカーの一次下請け企業であり、且つ、電装品関係に強い会社となっています。つまり、ワイヤレス充電技術が世に出る準備が徐々にですが具体的な形で始まりつつあると言えそうです。


今後の世界のワイヤレス充電市場を見た場合、無線通信技術の売上から得られる豊富な開発費、無線技術の蓄積、世界中と取引ができる会社規模など、同社は益々注目されそうです。Formula-Eのスポンサーにもなっており、GoGoEVでも今後の同社の動きをウォッチしていきたいと思います。


●参考ウェブサイト:

-Qualcomm Halo

-Daimler and Qualcomm Announce Strategic Collaboration on Connected Car Technologies(Qualcommプレスリリース)

-Qualcomm and BRUSA Sign Commercial Wireless Electric Vehicle Charging License Agreement(Qualcommプレスリリース)

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