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2018年6月11日

Global EV outlook 2018を読み解く

世界エネルギー機関(IEA)が毎年発行している「Global EV Outlook」という文献をご存知でしょうか。世界の電気自動車の現在、そして将来予測などが行われています。本日のコラムでは、今年5月30日に発行されたGlobal EV outlook 2018より、日本のEV・PHEV市場および充電インフラの状況についての記事を引用し、諸外国との違いを見ていきたいと思います。


○GoGoEV関連コラム:

-【EV・PHEV】データで見る、世界の電気自動車・プラグインハイブリッド車の普及状況(2018年5月28日付)


電気自動車・プラグインハイブリッド車の普及状況

先日のGoGoEVコラムでは、2016年時点の電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)の販売状況をご紹介しましたが、その丁度2日後にGlobal EV Outlookが発表されました。それによると、2017年末の世界のEV・PHEV保有台数は310万台となりました。

国別内訳は中国が120万台、米国が74万台、日本が21万台、ノルウェーが18万台となりました。


▲世界のEV・PHEV普及台数(出典:Global EV outlook 2018)


また、国別の全乗用車保有台数に対するEV・PHEVの割合としては、シェア上位国の順で、ノルウェーが6%超、オランダが2%弱、スウェーデンが1%となりました。


充電スタンドの普及状況

Global EV outlookの興味深い点は、EV・PHEVの普及状況だけでなく、それに対応する充電スタンドの普及状況なども示しています。

下の図は、EV・普及台数と公衆(パブリック)の普通充電器および急速充電器数を現した図になります。これを見ると、米国は充電器の整備が他の国と比べて不十分にもかかわらず自動車が普及している状況、また、中国の圧倒的な急速充電器数がわかります。


▲世界のEV・PHEV普及台数(左)/公衆普通充電器数(中)/公衆急速充電器数(右)(出典:Global EV outlook 2018)


これを国別で詳細に比べたのが下の図になります。国別で1台当たりの電気自動車に対する全充電器数(左)/普通充電器数(中)/急速充電器数(右)が示されており、日本の立ち位置が比較的世界平均であることもわかります。一方で、意外に充電器数が少ないのがノルウェー、また、オランダも急速充電器は普及台数に対して整備されていないことがわかります。

それでも一定の普及が進んでいるということは、政策的な後押しなどが有効に機能したと言えそうです。


▲1台当たりの電気自動車に対する充電器数の関係(出典:Global EV outlook 2018)

※EVSE=Electric vehicle supply equipment(電気自動車向け充電設備)


とはいえ、それら充電インフラの普及が進んでいない国々において、今後も現行状況が継続することはなさそうです。今後米国では2027年までの間に2200億円(1ドル=110円換算)、欧州では今後2020年までに1100億円の充電インフラ投資を行うとされています。さらにドイツや英国は単独で年間平均100億円以上の投資を行うようで、日本における充電インフラ投資の状況と対照的に思えます。


▲今後の充電インフラに対する投資予定額(出典:Global EV outlook 2018)


EV・PHEVの普及を強く進める諸外国では、その普及に火が付き始めたからこそ、充電インフラへの投資を拡大し、普及を促す戦略をとっています。今後、日本が自動車の電動化を進めるのであれば、このような政策は、もしかすると参考になるかもしれません。

その場合、より低コストで利便性の高い充電インフラを各スタンドあたり複数器設置し、現在発生しているような諸問題が解決され、EV・PHEVへの移行にインセンティブが働くような状況が生まれることが必須ではないかと思います。


先日経済産業省で立ち上がった「自動車新時代戦略会議」などにおいても、是非、今後の充電インフラの在り方を含めたEV・PHEV普及戦略を検討していただきたいと思います。


●参考ウェブサイト:

-Global EV Outlook 2018

-経済産業省・自動車新時代戦略会議

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