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2013年12月27日

【EV】EVの歴史と現在〜三菱自動車の取り組み〜

2013年12月24日付コラム(【EV】EVの歴史と現在〜日産の取り組み〜)にて、日産自動車がこれまで行ってきたEVの開発の歴史を取り上げました。


【EV】EVの歴史と現在〜日産の取り組み〜

前回も触れましたが、歴史的には電気自動車はガソリン車より先に商品化されました。およそ140年前の1873年、イギリス人のロバート・ダビッドソンは人類初のEVを完成させ、その後1885年にガソリン車が完成しました。その後、1891年にはEVの販売が開始されています。


しかし、皆様ご承知の通り、歴史は自動車燃料として石油を選択、電気自動車はしばらく忘れ去られました。しかし、昨今、世界的な環境問題への切り札として、再び電気自動車が注目されています。これは、電気自動車の欠点である、「短い航続距離」を、IT技術によって補うことが可能になったからと考えられます。すなわち、IT技術の進歩により、充電スタンドが簡単に探すことができるようになり、EVユーザーの電欠不安を取り除くと共に、バッテリー容量を有効に利用できるようになったことが大きな理由と思われます。


そのような環境の中、日産自動車同様、長きにわたり電気自動車を研究、そして市場投入している三菱自動車の歴史を取り上げてみます。


○三菱自動車の電気自動車開発の歴史

三菱自動車は1966年、三菱重工の自動車事業部門において、電気自動車の開発を開始しました。当初は、電力会社向け自動車として開発が進められ、バッテリは鉛蓄電池が使用されました。その後、1994年リベロEVという自動車の開発が進みました。当時価格は1,000万円以上だったとのことです。それら自動車も、電力会社や官公庁向けとして使われました。


その後、パソコン、携帯電話向けにリチウムイオン電池が使われ、それを自動車向けに適用した「三菱HEV」が1995年の東京モーターショーに出品されました。「三菱HEV」は、今でいうところのプラグインハイブリッドで、バッテリーのみで約96km走行できました。


その後、1999年12月、電気自動車によって24時間でどれだけ走れるかのチャレンジが行われました。FTO・EVを用い、同社名古屋製作所のテストコースにおいて、走行と急速充電とを繰り返す24時間耐久走行が行われ、2,142.3km走行しました。この記録はギネスのワールドレコードに認定され、現在もワールドレコードとなっています。


▲三菱自動車工業・電気自動車開発の歴史(出典:三菱自動車工業ウェブサイト)


○i-MiEV

その後、2005年より、MiEVの開発がスタートしました。当初、コンパクトカー「コルト」をベースとした電気自動車が考えられ、その後、i(アイ)ベースのi-MiEVの先行開発に繋がります。2006年より電力会社との共同研究が開始され、2009年には法人向け販売と量産が開始されます。


2010年には一般向け販売がスタート、光岡自動車がカスタマイズした「雷駆」も同年発売が開始されます。なお、雷駆は軽自動車では無く、普通自動車として登録される自動車でした。


2011年には、当初の16kWh仕様のGグレードに加え、10.5kWhのMグレードも追加されました。現在、Gグレードは値下げされ、Xグレードとして発売が継続されています。


▲i-MiEV Gグレード(出典:三菱自動車工業ウェブサイト)



▲雷駆(出典:光岡自動車ウェブサイト)


○ミニキャブMiEV

2011年には、ミニキャブシリーズに電気自動車を投入、i-MiEVと同様、10.5kWhと16.0kWhの二種類の自動車が発売されました。


▲ミニキャブMiEV(出典:三菱自動車工業ウェブサイト)


○ミニキャブMiEVトラック

2013年には、ミニキャブシリーズの軽トラ電気自動車が発売されました。トラックタイプは10.5kWh仕様のみとなっています。


▲ミニキャブMiEVトラック(出典:三菱自動車工業ウェブサイト)


○アウトランダーPHEV

三菱の電気自動車ラインナップが充実してきた2013年、充電しながら走る自動車として、アウトランダーPHEVが三菱自動車より市場投入されました。この車は、「2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、イノベーション部門賞を、また、RJC(日本自動車研究者 ジャーナリスト会議)のテクノロジーオブザイヤーを受賞しました。これは、いずれも、高い技術を持つクルマに与えられるものであり、アウトランダーの先進性、革新性を示すものとなりました。


仕様としてアウトランダーPHEVは12kWhのリチウムイオン電池を搭載、バッテリーのみで60km走行可能であると共に、JC08モード燃費において、プラグインハイブリッド燃料消費率(複合燃料消費率)67.0km/L、ハイブリッド燃料消費率18.6km/Lを実現しています。


アウトランダーPHEVは予約、販売において好調なスタートを切ったのですが、その後リチウムイオン電池の不具合によるリコールがあり、一旦販売を休止しておりましたが、2013年8月より生産が再開されました。



▲アウトランダーPHEV(出典:三菱自動車工業ウェブサイト)



i-MiEVから始まったBEV(Battery Electric Vehicle)の開発、市販を通じて得た経験、ノウハウを、今後もPHEVに適用し、BEVとPHEVの2本柱で行くのが三菱自動車の今後の戦略のように思われます。

EVの普及には、消費者を惹き付ける多彩なラインナップと、実用性の両方が必要です。その意味で、三菱自動車が販売する自動車は、様々な用途向けが充実しており、更なる発展に期待が膨らみます。


●参考文献・ウェブサイト

-黒川 文子(著)・図解入門業界研究 最新自動車業界の動向としくみがよーくわかる本

-ミツビシモータース メールマガジン

-三菱自動車工業ウェブサイト

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