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2015年5月29日

【EV充電器】充電器を2台に増やすと待ち時間は○分の1に!

4月28日付、ならびに5月1日付けの記事で、「待ち行列」理論を用いた充電スタンドの待ち時間計算を行いました。その際、実際に東名高速道路の海老名SAを例にとり、急速充電器が1台の充電スタンドに訪れた場合、先客がいる確率や平均の待ち時間を調べました。


また、充電後の放置などにより一台あたりの充電時間が増えた場合、平均待ち時間がどのように増加するかも調べ、充電時間を守らないユーザが与える影響の大きさがわかってきました。


○GoGoEV関連コラム

-【EV充電器】簡単な計算で充電待ちの時間を予測してみる(2015年4月28日付)

-【EV充電器】「充電放置車」による充電待ち時間はどれくらい??(2015年5月1日付)


これまでのコラムのように見てみると、電気自動車(EV)/プラグインハイブリッド車(PHEV)1台当たりの充電時間を短くし、その後の放置についても各ユーザのマナーに頼るところが大きいという結論になります。

しかし、GoGoEVユーザーのEV/PHEVオーナーの皆様におかれましては、充電器が2台以上あったり、充電器は1台であるけれども、駐車スペースが2台ある充電スタンドは、1台しか充電できないところに比べて使い易いことを経験されたことがあると思います。


つまり、ユーザの善意やマナーに頼らず、設置者側が利便性向上の努力として「充電器の増設」なども対策として考えられるわけです。しかし、充電器1台でも高額な導入コスト、ランニングコストをもう1台導入することに、躊躇がないとは思えません。そこで本日のコラムでは充電器が1台の充電スタンドにおいて、2台に増えるとどれだけ「平均待ち時間」が減少するか検証することにしました。


試算の前提条件は、前回までと同様、海老名SAを例として、充電器が1台増設されて2台になった場合を考えます。海老名SAのEV利用者数は前回と同様で、その他は以下を想定しました。

 ・1台当たりの充電時間(平均利用時間)は20分

 ・充電待ちの車は1列に並び、空いた場所へ順番に入る(みどりの窓口と同様)

 

【計算結果1】待ち時間なしで充電できる確率

 充電器1台では57%だが、充電器を2台では95%まで上昇します。

 

【計算結果2】充電待ちの時間

 充電器1台では15分待つ必要があったが、充電器を2台にすると約1分まで減少します。




ここで、横軸を充電器1台あたりの平均利用時間(=充電器占有時間)とし、縦軸を平均待ち時間として、灰色の点線を充電器1台設置の場合の待ち時間の計算結果、赤色の線を充電器を2台設置の場合の待ち時間の結果を示しました。


図からわかることは、充電器1台の所にもう1台増やし2台とした場合、EV1台が占有する時間が増加したとしても、充電器1台の時と比べて平均利用時間の上昇が緩やかであることです。


例えば、すべてのEVが30分ずつ充電器を利用した場合、海老名SAの充電器が1台であれば平均待ち時間はおよそ1時間となりますが、2台あれば平均待ち時間は5分程度となるということがわかります。


このように充電器の数を増加させることは、待ち時間短縮に有効な効果をもたらす可能性があることがわかります。すなわちこの結果は、高出力の急速充電器を1台設置するよりも、少し能力が低くても複数の充電器を設置したほうが待ち時間は少なくて済むという事が言えることになります。

すなわち、1台あたりの充電器占有時間が長くとも、台数の方が平均待ち時間の短縮に有効だと言える訳です。


設置者側の視点からは、現状のEV/PHEV普及率を考えるともう一台導入するメリットはほとんど無いように思われるかもしれません。しかし、充電器混雑による商機損失や業務の増加(呼び出しやクレーム処理)を考慮すると、今後EV/PHEVが普及していくにつれ、これら損失がより明らかになることが想像されます。


このことからも、充電器を複数台設置することのハードルは高いと思いますが、やる価値はあると言えるのではないでしょうか。

設置主のみなさん、ぜひご検討をお願いします!

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