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2017年12月22日

【東京モーターショー2017】三菱ふそう・トラックバスが提案する電動自動車

東京モーターショーに出展された展示車両が日本各地をまわっています。先月23日(祝・木)から26日(日)には名古屋で、今月8日(金)から11日(月)までは大阪で、先週15日(金)から本日18日(月)は福岡にて地区モーターショーが行われました。今後、2018年1月19日(金)から21日(日)は札幌で、2018年2月10日(土)から12日(月)は仙台で行われる予定です。


GoGoEVコラムでは、それら地区モーターショーでも展示予定の、東京モーターショー2017において展示された電動自動車(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車)を、各社ごとについてラップアップしてきました。

これまで13回にわたって、一社ずつ取り上げました。第一回はトヨタ自動車、第二回はHONDA、第三回は日産自動車、第四回は三菱自動車、第五回はダイハツ、第六回はSUZUKI、第七回は独メルセデスベンツおよびSMART、第七回はフォルクスワーゲン、第八回はAUDI、第九回はポルシェ、第十回はBMW、第十一回目はVOLVO、第十二回目はいすゞ自動車、第十三回目は日野自動車を見てきました。


前々回よりトラック、バスなどの大型車メーカーについて取り上げてきましたが、東京モーターショーシリーズ最終回の今回は、大型車の中でも一際、電動化に力を入れている、三菱ふそう・トラックバスの取り組みについてご紹介します。


●GoGoEV関連コラム

-【東京モーターショー2017】コンセプトカーから、東京モーターショー2017を読み解く(2017.11.03付)

-【東京モーターショー2017】トヨタ自動車が提案する電動自動車(2017.11.11付)

-【東京モーターショー2017】HONDAが提案する電動自動車(2017.11.14付)

-【東京モーターショー2017】日産自動車が提案する電動自動車(2017.11.17付)

-【東京モーターショー2017】三菱自動車が提案する電動自動車(2017.11.20付)

-【東京モーターショー2017】ダイハツが提案する電動自動車(2017.11.22付)

-【東京モーターショー2017】SUZUKIが提案する電動自動車(2017.11.24付)

-【東京モーターショー2017】メルセデスベンツ・SMARTが提案する電動自動車(2017.11.27付)

-【東京モーターショー2017】フォルクスワーゲンが提案する電動自動車(2017.12.01付)

-【東京モーターショー2017】AUDIが提案する電動自動車(2017.12.04付)

-【東京モーターショー2017】ポルシェが提案する電動自動車(2017.12.08付)

-【東京モーターショー2017】BMWが提案する電動自動車(2017.12.11付)

-【東京モーターショー2017】VOLVOが提案する電動自動車(2017.12.13付)

-【東京モーターショー2017】いすゞ自動車が提案する電動自動車(2017.12.15付)

-【東京モーターショー2017】日野自動車が提案する電動自動車(2017.12.18付)


三菱ふそう・トラックバスは元々、三菱自動車の大型部門でした。2000年に発生したリコール隠しの影響から2003年に分社化、その後、ダイムラーグループの出資を受け、現在は独ダイムラーの連結子会社となっています。なお、グループ内の位置づけとしては、アジア展開ブランドとしての位置づけとなっています。


ところで、三菱ふそう・トラックバスはこれまで、電動自動車への取り組みはそれほど強く行われていませんでした。しかし、今年に入り急速に開発および実証を進め、10月にはセブンイレブンジャパンおよびヤマト運輸に販売した100%電気トラックの納車を開始するなど、ここにきて取り組みが加速しているように思われます。


東京モーターショーにおいてもその流れを強く感じるもので、大型車を製造販売する他社と比べても、その意気込みが全く違うと感じました。以下、同社が提案する電動自動車についてご紹介します。


Vision One

三菱ふそう・トラックバスのブースにおいて、最も大きく展示されたのがコンセプトモデル「Vision One」でした。大型トラックにも関わらず100%電気トラックを目指し、排ガスゼロ・騒音ゼロを目指すと謳っています。また、同社がこのコンセプトモデルを出した背景には、電気商用車においてトップランナーを目指すとの強い意志がありました。


一般的に、電気自動車は重量および航続距離の観点から大型車には向かないと言われます。そのため、ハイブリッド技術でさえ燃費向上に寄与しにくく、ゼロエミッションを目指すには出力と航続距離の両面から燃料電池を使うことが考えられているように思います。それに対し、Vision Oneは航続距離350km、出力300kWで大型車クラスの開発を進めているとのことであり、商品化において経済性も成立させながら技術的にどのように成立させるのか、気になるところです。


とは言え、このような新たなコンセプトを提案し、大型車の電動化を目指すという姿勢に共感を覚え、今後、具体的になってくることを期待したいと思います。なお、担当者によると、4~5年後を目安に市場投入を想定しているとのことであり、今後の展開を見守りたいと思います。


▲Vision One


eCanter

先日のGoGoEVコラム(【EVトラック】三菱ふそう・トラックバス「eCanter」が発進(2017年10月23日付))でも取り上げましたが、eCanterは世界で初めて量産体制に入った電気トラックです。既に、セブンイレブンとヤマト運輸では使用が始まっており、徐々に国内外で採用が進むことが想定されます。

スペックとしては135kWの出力に対して82.8kWhの電池を搭載、100kmの航続が可能です。また、充電はCHAdeMO急速充電ならびに200V普通充電に対応、商用車の使い方からほぼ決まったルートの運行と多頻度充電を想定した設計となっています。また、展示車両では補助充電用ソーラーパネルなども設置されていました。


▲eCanter


幸運なことに、東京モーターショーでは直接、eCanterなどの開発担当者のお話も伺う事ができたのですが、Vision Oneではない、eCanterに続く電気トラックの開発も進められているとのことです。同社が何故、ここにきて急に電動化に乗り出したかという点については、大きく2つの理由があるそうで、一つは、独ダイムラーからの指示、もう一つは他社に対して後塵を拝してきた事に対する技術陣の奮闘、との事です。


前者については、今回の東京モーターショーでも、メルセデスEQやSMARTなど、ダイムラーは電動化を強く進めていることが伝わってきましたが、それらドイツで使われている電池技術などの供与を受けたことで、三菱ふそう・トラックバスの開発が現実的になってきた面です。

後者については、日本の商用車部門における先進技術開発の取り組みが、これまで、いすゞ自動車や日野自動車が先行していたことに対し、他社と伍して戦えるような商品を市場に出したいとの想いがあったそうです。


自動車の電動化は世界の潮流として今後、徐々に強まっていくことは間違いないでしょう。そのような中、三菱ふそう・トラックバスが進める取り組みは、注目を集めると思います。大型車・商用車の電動化はまだまだ技術開発要素が多く、課題も多いでしょうが、今後、より積極的な取り組みに期待したいと思います。

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