EV充電関連ニュース&お知らせ

GoGoEVからのお知らせや、アンケートの結果、充電スタンド関連企業のプレスリリースを掲載しています。

2018年10月15日

【EV/PHEV】2021年のEV向けバッテリー市場:韓国メーカーが優勢な予測結果

電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)のコア技術の1つにバッテリー技術が挙げられます。バッテリーは、航続距離、充電、出力等の車の性能だけでなく、EV・PHEVで大きな割合を占める価格に直接的な影響を与えるため、各社が開発に鎬を削ってきました。

日本企業では、プリウスやテスラへの実績が豊富なPanasonicが、EV/PHEV向けバッテリーにおいて大きなシェアを確保してきましたが、ドイツのコンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」の最新予測によると、今後は韓国および中国勢がシェアを伸ばすと考えられています。


そこで本日のコラムでは、EV/PHEV向けバッテリー市場の今後について見ていきたいと思います。


○GoGoEV関連コラム:

-【EV/PHEV】EVバッテリー市場〜王座Panasonicと覇権を狙う他メーカー〜(2015年8月28日付)

-【EV/PHEV】世界のEV・PHEV向けバッテリーメーカートップ10(2015年6月12日付)


まずはじめに、足元の状況を見ておきたいと思います。EVについての情報サイト「EV sales」が今年2月にまとめた2017年のバッテリー出荷量ベースでの各社のシェアは、1位Panasonic、2位BYD、3位LG Chemicalとなり、続いて、中国のバッテリーメーカーの雄、CATL(Contemporary Amperex Technology)がそれに続く結果となりました。


▲2016-2017EV向けバッテリー市場(出典:Inside EVs)


市場全体としては、前年比で+70%と驚異的な成長をしており、各社はこぞって大規模な電池工場の建設に踏み切っています。Panasonicについては、テスラのEV販売が好調なことを受け、また、プリウスPHV向けにより生産が拡大しているとのこと、LG Chemicalについては、GMのEV、シボレーBolt向けバッテリーが好調とみられています。


これを受け、EV salesは、現在の中国市場の成長から見ると、2018年にはCATLがLG Chemicalを抜くのではないかと予想しています。


一方、自動車市場について長年の経験を持つドイツのコンサルティングファーム「ローランド・ベルガー」は、同じくドイツの自動車研究機関「fka」と共同で、「E-モビリティインデックス」という分析結果を2017年より公開しています。

E-モビリティインデックスでは、日本、米国、ドイツ、イタリア、フランス、中国、韓国の7ヵ国について、近い将来のEV・PHEV関連市場についての予測を行いました。


同分析の中で、例えば2021年までの7ヵ国におけるEV/PHEVの生産台数は、累計1400万台以上と見積もられ、うち680万台が中国で、米国で300万台、ドイツで220万台となると予測されています。とりわけ中国では、GoGoEVコラムでも何度か取り上げている通り、EVメーカーが急速に存在感を増してきており、新車販売の一角を占め始めると考えられます。


▲2021年までの各国におけるEV/PHEVの生産台数(出典:E-mobility Index 2018 - Roland Berger)


それに対するバッテリー市場シェア(出荷額ベース)は、中国と中国以外に市場が分けられ、中国市場ではCATLとBYDなどが中心となり、中国以外の市場では、LG Chemical、Panasonic、サムスン、SKイノベーションの4社が市場を支配するとみられています。そして、それらを合計すると、韓国LG Chemicalが1位、CATLが2位、Panasonicが3位と予想されています。


▲2021年時点のEV/PHEV向けバッテリー市場の各社シェア予測(出典:E-mobility Index 2018 - Roland Berger)


同じくローランド・ベルガーが分析した「E-mobility Index 2017/Q2」のレポートでは、2019年のバッテリー市場のメーカーシェア(出荷額ベース)を、1位Panasonic、2位LG Chemical、3位BYDおよびCATLと予測していました。これは、一番はじめに見た現状の延長に近かったと言えます。

すなわち、2021年頃には、現在、各社が建設を進めているバッテリー工場の稼働が、業界のシェアを変えてくると見ているのではないかと考えられます。


今後、日本においてEV/PHEVの生産を主力産業として育て、EV/PHEV大国として世界をけん引していくためにも、バッテリーメーカーの頑張りには期待したいですね!同時に、政府にもそのような政策を進めて頂くことを期待したいと思います。


●参考ウェブサイト:

-Battery Makers 2017: Panasonic & BYD Hold Majority Of Market (Inside EVs)

-Battery Makers 2017(EV sales)

-E-mobility Index 2018 - Roland Berger

-fkaウェブサイト

コメント投稿

コメントをするにはログインまたはユーザー登録が必要です

コメント一覧
この記事にはまだコメントが投稿されていません