2025年8月26日(火) 15時
EVユーザーの需要に伴って増加してきた高出力の急速充電器。
ですが、実際に充電してみると「思ったより出力が出ない!」といった声も多く聞かれます。
この現象、実は充電器側の性能不足ではなく、車両の性能やバッテリーの状態などによっても起こりうるものなんです。
今回は、そんなEV充電器の出力について、車両性能や電圧、バッテリーの温度や残量などの観点から解説していきます。
実際の充電時の出力は以下のような要素によって決まります。
これらの要素が組み合わさって出力が変動するため、充電器の性能のみで判断しないよう注意が必要です。
・充電器の性能
・車両の充電対応性能
・充電時のバッテリーの状態(残量、温度、保護機能)
EVは車種によって受け入れ可能な最大充電出力が異なります。日産サクラや三菱ekクロスEVは最大30kWまで、現行のアウトランダーPHEVでは最大40kW程度までの制限があるため、それを超える出力の充電器で充電したとしても、充電速度は変わりません。6kW普通充電器の場合も、3kWまでしか受け付けない性能の車両もあります。
また、急速充電の場合は車両の搭載バッテリーの総電圧を超える電圧では充電されません。90kW/200A出力の急速充電器の場合、電圧は450Vという計算になりますが、日本のEVのバッテリー総電圧は400V前後のものが主流です。充電器は車両側のバッテリー電圧に合わせて出力を調整するため、ここで「なかなかスペック通りに充電されない」という現象が起きてしまうのです。
EVのバッテリーは温度に大きな影響を受けます。最も充電に適した温度は21℃~24℃程度といわれており、低温すぎたり高温すぎたりするとなかなか出力がでない可能性があります。
充電開始時のバッテリー残量も重要で、急速充電器はバッテリー残量が50%を超え、80%に近づくにつれて出力が低下していきます。これは、バッテリーへの過度な負担を抑えるためで、車両側で制限されている場合もあります。
先程バッテリーの温度が出力に影響することをお伝えしましたが、充電器側でも-10℃~40℃程度が正常稼働範囲とされています。今年の夏のような猛暑や雪が積もる寒い地域では、充電器が性能を発揮しづらい状況も考えられます。
また、充電器の管理者が意図的に出力を制限している場合などもあり、条件が整っていても最大出力が出ないこともあります。
EVの充電では、さまざまな要素が絡み合って、初めて「最大出力」を引き出すことができます。それぞれの車両性能や、どのような条件下で充電するかを意識することで、「思ったより充電できない」という事態を防げるかもしれません。
4 件
2025年8月26日(火) 20時
充電器の出力表示(銘板等)で50kWとなっていても500V×100Aだったり、56kW(450V×125A)ってパターンもあるようで充電器メーカー(機種)で表示が統一されるとわかりやすいと思います。
この酷暑なので出力制限はやむを得ないと思いつつ、充電してみたら制限してたりするとちょっと残念な気持ちになったり…(笑)。
少なくとも制限がある場合、液晶パネルに充電前に確認できる出力表示があると目安になると思います(一部の機種に採用)。
うちの車(i-MiEV M)でとある機種(二口タイプ、MAX90kW)を使用したら普段50kW型急速充電器で充電できたよりも少なかったことがありました。
まだ、車両と充電器のマッチングが上手くいってないこともあるようです。
たまに出力制限している充電施設へのコメントで「詐欺」やら「ボッタクリ」と決めつけてたりするのを見ながら残念に思っています。
車も充電器も頑張ってるんだなぁ〜、なんて…(笑)。
充電に関するこの記事は有り難いです。
2025年8月26日(火) 19時
この夏は非常に暑くて晴天続き。
直射日光を浴びて充電器本体もあっちっちになり、出力制限された90kW機に何度か出会いました。
直射日光が当たらない場所に設置されてれば…
と、思うことも度々です。
2025年8月26日(火) 16時
車両の充電性能を理解した上で利用していますが、
時には、出力を50kWと表示している充電器もあります。
何故50kWに制限してるのかが知りたいです。
2025年8月26日(火) 16時
どのガソリンスタンドで給油しても同じ給油量のガソリンと違って、「どれくらい充電できるか」は車両やそのときの状況次第というのがちょっと難しいですよね。
GoGoEVでは基本的に充電器の性能としての出力を表示させていただいていますが、ご自身の車両の状態と照らし合わせてご利用いただければと思います。
ちょっと複雑なEV充電。でもわかると充電効率がグッと変わります。この機会に、車両性能や最適な充電条件を改めて確認してみてくださいね!