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2015年4月28日

【EV充電器】簡単な計算で充電待ちの時間を予測してみる

街中でも電気自動車を見かけることが多くなってきました。GoGoEVのウェブサイトを運営する身としては嬉しい一方、ひとりのEVユーザとしては複雑な想いもあります。それは、充電待ちなど、充電器の取り合いにならないかという心配です。


そこで今回は、"立ち寄った充電スタンドに先客がいる確率"を計算し、平均してどのくらいの時間待つ必要があるかを調べてみることにしました。


計算に利用するのは、「待ち行列」の理論。お客さんがX人で銀行の窓口はY個の時に何分待つ必要があるか、などを計算することができるものです。計算するうえで、シナリオを以下の通りにおいてみます。今回は、ざっくりと算出するのが目的ですので、前提に粗があるのはご容赦ください。


①日本の純EV保有台数は約71,000台(*1)で全自動車の約0.1%である

②日本一利用者数が多い海老名SAにおける、上り線をモデルに設定。急速充電器が1台設置してある(2015年4月現在)

③海老名SAは上下合わせて約6万人/日(*2)であるが、ピーク期間を考慮して上りだけで1日に6万人が利用するものと仮定。

④平均世帯数は2013年度で2.51人(*3)だが、SA利用者には家族連れが多いものとして1台当たり3人が乗っているものとする

⑤SAに来たEVユーザは全員充電器を利用すると仮定

⑥7:00~22:00の間に平均的に利用者が訪れると仮定


まず、1日あたり何台のEVが海老名SAへ到着するのかを考ます。6万人÷3人=2万台。これが一日当たりに訪れる全自動車数。そのうちEVは2万台×0.1%=20台。前提⑤により、1時間当たり20台÷15時間=1.3台のEVが充電しようとSAへやってきます。ここで待ち行列で利用する「混み具合」をλ=1.3としておきます。


次に、充電器が1時間あたりに処理できるEVの台数です。充電時間を15分とすると、1時間当たり4台のEVを処理できることになります。μ=4.0としておきます。


これらの数値を用いて待ち行列の計算を行ってみます。前置きが長くなってしまいましたが、結果は以下の通りとなりました。




以上の結果からは次のことが言えそうです。

・充電しようと海老名SAに寄ると、32%の確率で既に誰かが使用中である

・平均すると7分待たなければならず、自分の充電時間を含めると22分となる


いかがでしたでしょうか。前提は若干雑なものの、大まかな値としては実際に皆様が感じる数値と近いかも知れません。図には計算式も載せていますので、地域のSAやショッピングモール等に置き換えて計算してみてください。


なお、EV台数が今の2倍になると平均待ち時間は7分⇒31分と約4倍になります。単純な比例では無いので、注意が必要です。


それでは充電器を2台、3台と増やしたら充電時間はどう短縮されるか?これも単純に1/2、1/3となるわけではありません。

この点は次回のコラムで検証してみたいと思います。


(*1)H25までのEV販売台数:http://www.cev-pc.or.jp/tokei/hanbai.html

H26のEV販売台数  :http://ev.gogo.gs/news/detail/1423220092/

(*2)海老名SAの利用車数:http://www.wdic.org/w/GEO/%E6%B5%B7%E8%80%81%E5%90%8D%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%A2

(*3)平均世帯者数:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/index.html

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