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2016年9月30日

【EV】離島地域のEV&充電スタンド事情(第四回; 小豆島)

離島はエネルギーコストが本土地域と比べて高く、その事から、エネルギー自給自足の一環として電気自動車(EV)などの導入の取り組みが各地で行われています。有名なところでは、沖縄県沖縄本島や宮古島、長崎県五島列島、壱岐、鹿児島県屋久島、新潟県佐渡、香川県小豆島・豊島などで、これまで幾つかのプロジェクトが行われてきました。先月より数回に分け、それらのプロジェクトがどうなったのか、特集しています。


第一回、第二回は、レンタカーとして100台規模のEVが導入された沖縄本島、長崎県五島列島を取り上げました。第三回からは、小規模ながら徐々に普及を目指す離島地域のEVの取組みに注目し、はじめに沖縄県宮古島を取り上げました。


◯GoGoEV関連コラム:

-【EV】離島地域のEV&充電スタンド事情(第一回; 沖縄本島)(2016年8月29日付)

-【EV】離島地域のEV&充電スタンド事情(第二回; 五島列島)(2016年9月2日付)

-【EV】離島地域のEV&充電スタンド事情(第三回; 沖縄県宮古島)(2016年9月26日付)


本日のコラムでは、宮古島と同様、充電インフラの導入とマイクロモビリティを中心に、自動車の電動化を後押しをする香川県小豆島および豊島の取組みをご紹介します。


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小豆島は、瀬戸内海に浮かぶ淡路島に次いで大きな、人口およそ3万人の島です。島の大きさは一周140km程度であり、車であれば2時間程度で一周することが可能です。

同島には、土庄町と小豆島町の二つの自治体があり、島の北半分と豊島は土庄町に属し、南半分が小豆島町に属します。電気自動車の普及および充電スタンドの整備について、両町ともとても強く推進しているという訳ではありませんが、徐々に普及が進み始めました。


●小豆島・豊島の充電スタンド

小豆島には現在、あわせて19箇所の充電スタンドが存在します。一方で、豊島には一般開放されている充電スタンドはありません。

小豆島の場合において興味深いのは、位置する自治体の考え方が全く異なることです。土庄町の場合、町役場が主体的に設置する充電スタンドは1ヶ所だけであるのに対し、小豆島町役場は9ヶ所(12基)を町として設置し、運用を行っています。



▲小豆島の充電スタンド設置状況


●小豆島町の取り組み

まず、充電スタンドの数が多い、小豆島町を見てみたいと思います。


小豆島町では充電インフラを設置するものの、車の普及にそこまで力を入れてきたということではありません。充電器自体は平成26年度に経済産業省の補助事業を活用して設置し、その後、環境対策として電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)の普及を促すため、2016年9月末現在も、充電料金を無料でサービスを提供しています。


また、同町に位置する「小豆島ふるさと村」では、日産のニューモビリティコンセプトのレンタカーを「豆モビ」の相性にて行っています。同施設は、道の駅やキャンプ場、地域産業(そうめん、うどん、オリーブ)や漁業、ヨット・カヌーなど様々な体験施設を運用しており、観光で訪れた方が周辺を散策する用途としてマイクロEVが活用されています。


▲豆モビ(出典:小豆島ふるさと村ウェブサイト)


また、今年3月には日産自動車よりe-NV200が導入されるなど徐々にではありますがEV導入が進み始めています。ただし、これまで特集で見てきた、沖縄本島や五島列島、宮古島のように、普及を強く推進する旗振り役がいる訳ではなく、一般ユーザーの普及を促す程度にとどまっていることから、EV、PHEVについて、現在はちらほら見るようになってきた程度とのことです。


●土庄町の取り組み

次に土庄町を見てみたいと思います。土庄町はEV普及に対し、小豆島町と異なったアプローチを行っています。町内の多くの充電スタンドが民間による設置であり、特に、幾つもの観光ホテルが立地する土庄海水浴場周辺において、旅館・ホテル業の皆様が中心となり充電スタンドを設置しています。


【土庄町の充電スタンドが設置された旅館・ホテル一覧】

 ・天空ホテル海廬

 ・ホテル ニュー海風

 ・ビーチサイドホテル鹿島荘

 ・小豆島シーサイドホテル松風


いずれの充電スタンドも日本充電サービス(NCS)対応の普通充電スタンドであり、フェリーで島外から来られる方にとっては心強い味方と言えそうです。


また、同町では2013年より、小豆島の隣に位置する豊島において、ソフトバンクモバイルやベネッセホールディングス、電気自動車普及協議会などとの共同で「超小型モビリティ実証試験」が行われました。ポイントは、瀬戸内国際芸術祭2013と連携し、それらを見に行く手段としてマイクロモビリティを活用しようとする取り組みでした。

実証試験は2014年3月で終了しましたが、その後、電動バイクや電動アシスト機能付き自転車によるレンタル事業に発展を続けています。

▲「瀬戸内カレン」プロモーションビデオ


また、豊島で行われた実証試験は、ベネッセアートサイト直島で知られる、お隣の島、直島にも波及をしています。瀬戸内国際芸術祭2016では、同祭のオフィシャルカーとしてスペシャルラッピングが施されたBMW i3が島内を走っているとのことです。


▲直島におけるBMWと瀬戸内国際芸術祭とのコラボレーション(出典:BMW i 特設ページ)


小豆島町において導入されたe-NV200も、今年の芸術祭期間中は、観光客の送迎などに活用するとの事であり、まさに、芸術とEVとの連携・融合の取り組みが、小豆島ならびに香川の島での取り組みの特徴と言えるかも知れません。


今後、瀬戸内地域での様々な取り組みに期待したいと思います。


●参考ウェブサイト:

-【EV】電気自動車(e-NV200)活用事例創発事業による貸与が始まっています!(2016年3月21日付)

-小豆島にてe-NV200貸与式を行いました!

-小豆島ふるさと村

-小豆島町ウェブサイト

-香川県豊島で超小型モビリティを活用した実証実験を実施(ソフトバンク・2013年7月10日プレスリリース)

-瀬戸内国際芸術祭・BMW i3特設サイト

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