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2016年11月27日
トヨタ自動車が今月24日、EVの航続距離や電池寿命を延ばす新たな研究手法を開発したと発表しました。
そこで今回は、トヨタの新手法がEV航続距離を伸ばす理由や、どれくらい期待できる手法なのかを解説してみたいと思います。
トヨタ自動車の新手法を一言でいうと、「電解液中のLiイオンの挙動を観察する」ことです。
しかし実は約3年前、日産もリチウムイオン電池の観察手法を開発したと発表をしており、GoGoEVでも取り上げています。
【EV】リチウムイオンバッテリーの電子の動きを直接観測する分析手法を開発(日産自動車)
私も初めはトヨタの発表を見て、3年前に日産が実現していたことなのに、なぜ世界初と言っているのか分かりませんでした。
しかし、よく読んでみると違いがあることが分かりました。
日産が『電極内部』の電子の動きを観察したことに対し、
トヨタは『電解液中』のリチウムイオンの動きを観察に成功しているのです。
▲今回観察できるようになった部分(出展:トヨタ自動車プレスリリース)
今回のトヨタの開発により、リチウムイオン電池内の物質の動きをほとんど掌握できるようになるでしょう。
・どの化合物で電極を作れば効率的か
・どういう制御をすれば早く充電できるか
・電池が劣化するのは何故か
といったようなことが解明できるようになり、リチウムイオン電池の高性能化に大いに貢献すると考えられます。
トヨタの開発は、新しい電池を開発!とか、航続距離が何倍に!という過去のニュースに比べてやや地味な印象かもしれません。
【参考】過去の電池関連の記事
【電池】およそ2分で充電可能な「超高速バッテリー」を開発(2014/10/31)
【EV】リチウムイオン電池の新技術でEVの航続距離を2倍に(日立製作所)ですがリチウムイオン電池はすでに世界中で広く普及されており、価格も安くなっています。
そのため、画期的な新技術の登場よりも、既存の電池を高性能化していく地道な開発の方が、私たちは効果を早く享受できると思います。
EV用電池の開発動向には引き続き注目していきます。
出展:
トヨタ自動車プレスリリース(http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/14326186)
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