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2013年10月28日
長崎県に位置する五島列島がEVアイランドとして注目されていることをご存じでしょうか?
2010年度より五島列島ではEV・PHVとITSを連動させた未来型のドライブ観光システムの実験が行われ、これまでEVレンタカー利用者は累計6万人以上に上っています。そこで今回のコラムでは
・何故、EVを利用し島おこしを行っているのか
・EV・PHVとITSを連動させた未来型のドライブ観光システムとは何か
の2点を中心に簡単にまとめてみたいと思います。
1点目の「EVを利用し島おこしを行う理由」として、それには主に3つの理由が挙げられます。
(1)離島における人口の減少
(2)雇用の創出
(3)長崎の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産登録を目指した取り組み
五島列島はここ数年、人口流出が続いています。また、雇用が少ないことが人口流出を加速させ、その対策として、観光等の交流人口の拡大が必要であると考えられています。そこで長崎では、長崎の五島に現存する教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産登録に向けた取り組みが行われて居rます。
ここでポイントとなるのが、世界遺産登録のためには、景観や環境保全が重要視されるという点です。すなわち、世界に対し、五島列島が環境先進地であることをアピールする必要があります。
そこで、上記(1)~(3)らを同時に解決する方法として電気自動車をレンタカー等に導入し、環境保全と観光の活性化をもたらし、雇用の創出を目指しています。
それでは、2点目のEV・PHVとITSを連動させた未来型のドライブ観光システムとは何なのでしょうか。
ITSとは、Intelligent Transport Systems、日本語では高度道路交通システムと呼ばれ、人と道路と自動車の間で情報の送受信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、様々な課題を解決するためのシステムのことを言います。
つまり五島ではこのITSを活用することにより、観光スポットや充電スポットなどの地域情報を入手し、ナビゲーションシステムと連動させ、その時々に応じた目的地設定などに活用することが可能となっています。例えば、期間限定イベントなどが行われている場合には、その情報が素早く提供されます。
今後は観光コースを一括して設定できる機能も追加するなど、まるでITSが旅行添乗員かのようにEV利用者の観光をサポートします。
更に、走行ルートの勾配などを読み取り、目的地までの電池残量の予測を行う機能も開発されています。これによりEV利用の最大の敵である電欠の解消が可能となります。
このように、五島列島でのEV観光の取り組みは、単に「島おこし」という枠に留まらず、電気自動車により地域が抱える課題を解決する明るい未来を感じさせてくれます。電気自動車の普及は五島列島のように、日本列島が活性化することに繋がるかも知れませんね。
-参考ウェブサイト
長崎県EV&ITSプロジェクト
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