2025年2月28日
東京大学生産技術研究所(東京都目黒区 以下、東京大学)、ユアスタンド株式会社(東京都品川区 以下、ユアスタンド)、日東工業株式会社(愛知県長久手市 以下、日東工業)、三菱自動車工業株式会社(東京都港区 以下、三菱自動車)の4者は、電気自動車(以下、EV)とEV用普通充電器(以下、充電器)の充電の利便性向上のため、充電専用カードやアプリを使わなくても充電できる「Plug & Charge(以下、PnC)」の実現に向けたEVのコネクティッドデータを活用する共同実証実験を実施しました。
EVの普及には、航続距離や充電時間の改善、充電インフラの充実に加え、充電器の利用のしやすさなどが必要とされていますが、普通充電では、EVと充電器の間に相互の個体識別機能が備わっていないため、充電するEVの特定や認証には充電専用のカードや専用のアプリが必要となっています。
これらの手間を解消するため、充電プラグを挿し込むだけでEVとどの充電器が接続されたかを特定・認証し、自動的に充電が開始される仕組みPnCの実現を目指し、東京大学・特任准教授馬場博幸が考案した、PnC実現技術※1(以下、本技術)を用いて、実証実験を行い、その実現性を確認しました。
今回の実証実験では、日東工業のMode3普通充電器『Pit-2G』から送信される充電電流と、三菱自動車の軽商用EV『ミニキャブEV』(以下、ミニキャブEV)等からコネクティッド技術(以下コネクティッドシステム)を用いて送信される充電電流をユアスタンドが構築したシステムで連携し、東京大学のシステムで2つのデータを照合する仕組みを各者共同で構築しました。
この仕組みでは、EVに充電プラグが挿しこまれた際に、充電器とEVから送信された電流データ(電流波形)を照合して、データが一致した場合に自動で充電が始まります。
今般の実験システムの基本構成(充電器-EVを2組用意)
本技術において、EVには早く・正確に、変調電流に応答することが求められるため、三菱自動車はミニキャブEVの充電電流の応答性を確認しました。
結果として、ミニキャブEVで変調出来うる最大値まで電流を変調したところ、高い応答性が得られ、変調指示との差が小さいことが分かったため、本技術に対応できることを確認しました。
三菱自動車 軽商用EV『ミニキャブEV』の電流応答特性
また、本技術の実現性を確認するため、離れた場所にある2つの充電器それぞれにEVを接続し、それぞれに異なる変調電流パターンを与えて電流波形を照合したところ、どの充電器にどのEVが接続されているか特定できたため、認証に利用できることを確認しました。
今後、各実証事業者はこの技術を用いた新サービスの実用化に向けた検討を進めます。本技術により、充電コネクタを挿すだけで充電器とEVの組み合わせを特定できるようになるため、様々なサービスへの適用が考えられます。例えば、EV車両が特定でき、そのEVが接続している充電器が特定できることで、オーナーに向けて電力市場価格を考慮した最適な充電を行うスマート充電サービスを提供することや、勤務先の駐車場やマンションなどで、充電したEVと充電器を特定し、充電量に応じた電気代を個々のEVオーナーに請求するサービスなど、新たな充電サービスへの展開を検討していくとしています。
ユアスタンドは、『移動をもっとクリーンに』をミッションに、マンション・集合住宅などの基礎充電を中心に充電設備を設置・運用している会社です。
目的地充電向けには、アプリ登録やカード発行不要・お手持ちのQR決済などでだれでも即時利用可能なサービスを提供しています。施設毎に3kW、6kWそれぞれの出力に応じた料金が設定されており、PayPay、LINE Pay、au PAY、d払い、クレジットカードなど多様な決済方法に対応。充電器に貼り付けてあるQRコードを読み取ることで専用の決済画面へ移行し、かんたんに充電を開始することができます。
Yourstand WEBサイト:https://yourstand-ev.com/
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