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2013年8月5日

【EV充電器】コンセントタイプではない普通充電器を’家庭に’設置するメリットって?

 ご存じのとおり、世の中には多くの普通充電器がありますが、大きく分けて「コンセントタイプ」と「スタンドタイプ」の2つ分けられると思います。


▲コンセントタイプ(出典:Panasonic WEBサイト)



▲スタンドタイプ(出典:トヨタホームWEBサイト)


 工事代を別に考えた場合、断然コンセントタイプの方が安いです。桁が2つほど違いますね。充電をするという一番重要な目的だけを見れば、どちらのタイプも同じように充電することができるので、そのほかの付随するサービスに「スタンドタイプ」の価値を見いださなくてはなりません。


「家庭ではなく、公共の場(駐車場など)に設置する場合」は通常、スタンドタイプが選ばれることが多いです。理由は、公共の場に設置する際に便利な機能がある(ものが多い)からでしょう。

 いくつか例をあげると、

 ・ケーブルが付いていること

 ・認証機能(ICカード等) --->会員制や課金制度の導入が可能

 ・利用状況の記録

 ・通信機能 --->記録等の本部への送信

等、便利な機能に溢れているのですが、さてこれらの機能は家庭に取り付けて個人的に使う分には必要のないものです。


 では家庭用にスタンドタイプの充電器を用いる必要が全くないかというと、実はそうでもないようです。家庭で使える可能性のある機能の1つに「充電開始、終了の制御」が、そしてもう一つに「ケーブル付き」が挙げられます。


1つ目の「充電開始、終了の制御」は、深夜電力を利用する契約を結び、電力が安い夜間になったら自動で充電を開始するよう制御をしてくれる機能です。これは、リーフSなどのタイマー充電機能が無いEVや、i-mievやアウトランダーPHEVで、タイマー充電オプションを選択しなかった場合に重宝します。

それでは、どれだけお得なのか簡単に計算してみましょう。


 電気料金は、会社によって違うのですが、例として東京電力の料金、車種は“タイマー充電機能の無い”日産リーフSでシミュレーションしてみます。今回は計算を簡単にするため、「毎回の充電は電池が空っぽになってからフル充電する」と仮定します。


 【電気代】昼間 29.1円/kWh 夜間(23時~7時) 11.8円/kWh

 【使う電気量】 24kWh (日産リーフ電池容量)

 【充電時間】 8時間(100%)

 【充電間隔】1か月あたり10回フル充電する

 

 それではまず、「コンセントタイプ」を用いた場合です。お父さんが19時に会社から帰ってきて、充電を開始したとします。その場合、だいたい4時間を昼間料金、4時間を夜間料金で充電するので、電気料金は、

 29.1 × 12 + 11.8 × 12 = 490円

が1回のフル充電にかかります。年間では、

 490 × 10 × 12 = 58,800円

ですね。

 では、充電タイマー付きの普通充電器を用いた場合。夜11時になったら自動で充電を開始し、夜間電力を目一杯使って充電します

11.8 × 24 = 283 円

年間では

283 × 10 × 12 = 33,960円


 つまり、年間で約25000円の節約ができるということになるので、10万円程度の充電タイマー付きスタンドタイプ充電器を購入すれば4年で元が取れる計算になります!

 ・・・と計算はしてみたものの、まずこの仮定だと1か月に1000km以上走っていることになりますね。また、リーフX、Gや、プリウスPHVには、標準機能としてタイマー充電予約機能が付いていますので、当てはまりません。


ただし、“タイマー充電”が出来ないリーフSと“タイマー充電が出来る”リーフXの差額が約40万円、i-mievのタイマー充電オプションが63,000円、アウトランダーPHEVのタイマー充電オプションが126,000〜178,500円であることを考えると、廉価版EVを購入する場合には、10万円程度の「タイマー+ケーブル付きスタンドタイプ充電器」は、お得かも知れません。


と言うのは、家庭での充電において、毎回充電ケーブルをトランクから出し入れしている方も多いと思います。そんな時、仮にもう一本メーカオプション品を購入し備え付けておけばその作業が楽になりますよね。

ところが、メーカオプションのケーブルの値段は、日産製の場合約5〜6万円程度、三菱製では8〜9万円近くになります。つまり、10万円程度で「タイマー+ケーブル付きスタンドタイプ充電器」が設置できるなら、メーカオプションケーブルの購入+充電予約オプションを考慮すれば、充電器を設置した方がお得と言えます。


しかし、今後、スタンドタイプの充電器の値段が大きく下がらない限り、家庭では設置の容易なコンセントタイプを設置する場合が多いかも知れませんね。


【参考資料】

トヨタホーム(ご自宅・充電設備工事)

http://www.phv-charger.jp/spec.html

H2V MANAGER

http://tsc-h2v.com/home/index.html

東京電力

http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/data/chargelist/chargelist01-j.html

日産リーフ仕様

http://ev.nissan.co.jp/LEAF/CHARGE/


※コラム内容を一部訂正いたしました(2013/08/06):タイマー機能が付いているEVの場合、充電器側でのタイマー制御機能が不要であり、シミュレーション内容が一部不適切である点のご指摘を頂きました。指摘頂きました通りであり、記事内容を、タイマー機能を考慮した内容に修正いたしました。ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。


※コラム内容を一部訂正いたしました(2013/08/07):掲載しておりました「スタンドタイプ充電器」写真につきまして、家庭用では無いとのご指摘を頂きました。当初掲載しておりました写真は、公共用充電器であり、家庭用充電器に変更致しました。ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。

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