【FCV】将来の燃料電池自動車はプラグイン仕様になるか(上)

掲載日:2013年8月16日

2013年7月3日の当コラムでも取り上げました通り、ホンダとGM(米:ゼネラルモータース)は2020年頃に実用化する燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)開発において包括的に提携すると発表しました。

【FCV】ホンダ・GMと提携 開発へ世界3陣営(2013年7月3日付コラム)
http://ev.gogo.gs/news/detail/1372851443/

FCVは水素を燃料として自動車に搭載、空気中の酸素と反応して電気を取り出し、モーターで走行する電気自動車の一種です。バッテリのみを自動車に搭載する純粋な電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)に比べ航続距離が長く、これまで次世代自動車の本命と言われて来ました。一方、FCVが普及するためには、燃料である水素供給インフラの整備が必要であり、普及における障壁になると考えられています。

しかしながら、今回のホンダとGMの提携は、FCVの普及に大きな貢献をするものになる可能性が考えられます。それを読み解くキーワードは「プラグイン燃料電池」車です。

このように考える理由は2つあります。
1点目は、FCVに関する両社の技術的な特徴と戦略的な位置づけ
2点目は、両社の自動車への電力接続ポートの搭載状況(含:電力抜き出し/充電)

このうち、1点目を本日、2点目を月曜日のコラムに掲載したいと思います。



まず、1点目のFCVに関する技術的な特徴、戦略的な位置づけですが、技術的な特徴について2013年7月3日付けの日本経済新聞は、世界の特許総合力分析結果として1位をGM、3位をホンダと報道しています。
米国 燃料電池分野の特許総合力、トップ3はGM、トヨタ、ホンダ

筆者はそれぞれの技術について、GMとホンダがそれぞれ得意とする技術に関し注目しました。ホンダは「燃料電池の水素マネジメント技術(含:漏れ防止技術)」において歩があり、GMは「燃料電池を効率的に動作させるための技術」が注目に値する技術と考えられています。

特許検索を用い、ホンダの燃料電池技術に関して調べてみると、燃料電池スタック(発電装置)内のセパレータや水素の流れなどに関わる技術の特許が、他社に比べて比較的多く見て取れることがわかります。

(例)https://www.google.com/patents/WO2010016384A1
・参考:V Flow FC スタック

一方、GMは燃料電池出力制御やモニタリングなど、システムに対する特許を比較的出しているように感じます。

(例)http://www.google.com/patents/US7588847

すなわち、一つの見方ではありますが、今回の提携を起点としてホンダの燃料電池本体の技術と、GMの全体システム技術が融合する方向に進み、それぞれの会社がより得意な部分に注力できる可能性も考えられます。
例えば、GMも燃料電池スタック開発を長年行っていますが、ホンダとの提携により、燃料電池スタック内部以外に経営資源を集中的に投入できるようになり、ホンダにおいても、GMがこれまで提案・VOLTで採用した「E-Flex」システムの知見を、今後のFCV開発に活かせる可能性が十分考えられます。

【上海モーターショー07】GM、第5世代のプラグイン燃料電池車(Response)


また、両社のFCVの戦略的な位置づけに関して、ホンダはこれまで一貫してFCVを「燃料電池電気自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)」と呼び、電動自動車の一つとして位置づけて来ました。つまり、FCVはあくまでEVの一つであると考えていると想像されます。


(出典:ホンダ環境年次レポート2013)

同様に、GMもFCVをレンジエクステンダーEV(E-REV)の発展系と位置づけ、2007年の上海モーターショーで示された「E-FLEX」コンセプトでは、電気自動車用エネルギー供給源として燃料電池を示しました。


(出典:GMウェブサイト)

これは、トヨタがFCVのことを「燃料電池ハイブリッド車(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)」と呼び、あくまでもハイブリッド車の延長と考えていることと対照的です。すなわち、ホンダ・GMは両社とも燃料電池は電気自動車への電力供給源の一つと考え、FCVを自動車の電化の流れを担う一つの技術とみなしています。そうすると、FCVを世の中に受け入れてもらうためには、水素インフラへのアクセスを確保するという意味で、プラグイン仕様FCVを将来的に投入することも十分考えられる訳です。


今回は、ホンダとGMの提携の記事を参考に、両社のFCVに関する技術的な特徴と戦略的な位置づけを紐解き、プラグイン仕様FCVの可能性を考えてみました。

次回は、ホンダおよびGMが取り組んでいる自動車へのプラグイン技術に注目し、プラグイン仕様FCVの可能性を考えてみたいと思います。

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