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2014年4月9日
2015年の水素燃料電池自動車(FCV)発売開始に向け、様々な業界が水素ビジネスへの参入を検討しています。本日はそれら事業者の1つ、岩谷産業株式会社(以下、イワタニ)の取り組みについてご紹介したいと思います。
イワタニが最初に水素事業を発足させたの1941年と古く、長い間水素事業を行ってきました。当初は、油脂メーカーの余剰水素の販売を手がけていましたが、1958年には水素製造専業の岩谷瓦斯を設立、1960年頃には長尺容器やトレーラーなどの輸送車を開発し、水素ガスの大量輸送方法を確立しています。
さらに、1970年代には通産省のサンシャイン計画で水素に関する研究委託を受け、わが国初の商業用液化水素製造プラントを本格稼働させると共に、ロケット燃料として液化水素の供給も行っています。
現在も、イワタニは水素販売分野では一定のシェアを持っており、それら経験を活かして水素ステーション事業に参入するようです。そして、イワタニの特徴として挙げられるのが、幅広い水素供給方式です。例えば、少量用途では「シリンダー」、中量ではシリンダーを集結した「カードル」、大量輸送では「トレーラー」、全国どこでも燃料電池車の公道走行をフルサポートする「移動式水素ステーション」、必要な場所で水素ガスを製造可能な「オンサイト水素ステーション」など、需要とユーザーの用途にあった水素提供方法を提案することが可能です。すなわち、時代の変遷やニーズに合わせて、最も適した水素供給が可能となる可能性があると言えます。
▲シリンダー(出典:岩谷産業株式会社・水素とイワタニ)
▲カードル(出典:岩谷産業株式会社・水素とイワタニ)
▲トレーラー(出典:岩谷産業株式会社・水素とイワタニ)
▲移動式水素ステーション(出典:岩谷産業株式会社・水素とイワタニ)
また、移動式水素ステーションの1つである「液化水素型移動式水素ステーション」は水素ステーションの役割をトラック一台で満たし、水素の出前供給を行うことができます。また、その容量もFCV約15台分の水素を貯蔵でき、トラック1台で広範囲のFCVユーザーをサポートする事が可能です。そのため、FCV普及初期や水素需要少ない地域での活躍が期待されますね。
▲液化水素型移動式水素ステーション(出典:岩谷産業株式会社・水素とイワタニ)
今回ご紹介したように、イワタニは水素事業に積極的に取り組んでおり、今後のFCV普及において重要なプレイヤーになるでしょう。今後も、イワタニの動向に注目していきたいと思います。
○参考ウェブサイト
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