ロイター通信など各社によると、先月21日ワシントンで行われたカンファレンスにおいて、イタリアの自動車大手フィアット・クライスラー社CEOのSergio Marchionne（セルジオ・マルキオンネ）氏が、同社が発売する電気自動車「500e」を買わないでくれと、発言したと報道されました。

▲FIAT 500e （フィアット社ウェブサイトより）

「500e」は、フィアット500の電気自動車版ですが、マルキオンネ氏によると、米国でのフィアット500が17,300米ドルから購入できるのに対し、「500e」は補助金等を含めない販売価格は32,650米ドルとなっています。それでも、「500e」が1台売れる毎に、14,000米ドルの赤字が発生するそうです。

米国カルフォルニア州や連邦燃費向上目標などでは、自動車会社に環境対応車の販売を奨励、義務化しており、それら自動車を一定程度売らないと、従来のガソリン車を販売することが出来ない場合があることから、赤字覚悟で「500e」を販売しています。

しかし、電気自動車は赤字であることから、必要台数を満たせばそれ以上は1台も売れなくて良い、と発言したようで、続けてマルキオンネ氏は、政府は単に目標を示せば良く、後は自動車会社が独自でその達成を行えば良いとの見解も示しました。

電気自動車の価格も徐々に下がり始めており、今後、開発を進める（進められる）企業と、撤退する企業に分かれ始めるかも知れませんね。

○参考ウェブサイト

-

Fiat Chrysler CEO: Please don't buy Fiat 500e electric car（2014年5月21日付ロイター通信）

-FIAT 500e ウェブサイト