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2014年10月15日
今月7日(火)から11日(土)にかけて、幕張メッセで開催されていた「CEATEC JAPAN 2014」に、電子材料会社TDKが、非接触電力伝送システムを用いた走行中充電技術を出展しました。今回は、なぜそのようなことが出来るのかをお話したいと思います。
非接触の充電方式には、大きく電磁誘導方式、磁界共鳴結合方式、マイクロ波伝送方式の3つが挙げられます。今回TDKが出展したシステムは、WiTricity社が基本特許を保有する磁界共鳴結合方式です。この磁界共鳴結合方式を提供するWiTryicity社は、元々、米国マサチューセッツ工科大の研究グループが発明した技術を元に始まったベンチャー企業です。
現在、磁界共鳴結合方式を用い、トヨタ自動車がプリウスPHEVへ充電する実証実験を行うなど新たな開発が進められています。一方、電磁誘導方式は日産がリーフの新たな充電技術として実証実験を行い、またモバイル分野で商用化もされています。その他、マイクロ波伝送方式はセンサ、モバイル分野のほか、宇宙空間での太陽光発電で得た電力を、地上に送る技術として、宇宙産業分野で研究されています。
▲非接触充電の方式と特徴(出典:TDK Techno magazine)
なお、筆者が普段使っているスマートフォンも、充電パッドの上に置くだけで、電磁誘導方式による非接触充電が可能です。ただし、スマホの位置が少しずれていたり、パッドから2cm程度遠ざけると、充電されなくなります。充電中は、パッドに内蔵されたコイルでが生む磁界の変化を、スマホ内蔵のコイルが正対して捉えることで起電力が発生(電磁誘導)します。しかし、コイル同士がずれたり、遠ざけられたりすると、磁界の変化を上手く捉えることができません。つまり、電磁誘導方式は充電側と受電側のお互いの位置関係の制約が厳しいと言えます。
一方で、同じ周波数を持つ充電・受電装置の間で、磁界の振動による共鳴を利用し、両者の結合を強めたものが磁界共鳴結合方式です。この方式の伝送距離は1m~2m程度と、電磁誘導方式に比べ長くとることができるため、充電装置を道路に数m間隔で埋め込めば、走行中のEVを充電することが可能になります。
▲電磁誘導方式と磁界共鳴結合方式の原理(出典:TDK Techno magazine)
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は日産自動車などとともに走行中非接触給電システムの開発を進めており、そのシナリオでは2015年に次回共鳴結合方式の町中交差点での実証実験を予定し、2050年にハイウェイ走行給電の実用化を目指しています。また、環境省は2050年にはEV、FCV、ハイブリッド車などの次世代自動車の普及が100%になると予想しています。今後、非接触充電技術が進歩し、EVの可能性がさらに広がることを期待したいと思います。
●参考ウェブサイト
●関連コラム・Q&A
-【EV充電】電気利用車両向け非接触充電システムの実証実験を開始(トヨタ自動車)(2014.03.06)
(コラム執筆者:snak)
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