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2015年2月4日

【EV・FCV】テスラとトヨタの「オープン戦略」

今日はテスラモーターズとトヨタ自動車の両社が取っている「オープン戦略」について述べたいと思います。


オープン戦略とは、他社に特許等の自社技術を公開し、他社と協力しながら自社製品や互換性のある他社製品を事実上の標準(デファクトスタンダード)とすることを狙う戦略の事を言います。オープン戦略は、自社内の経営資源だけではなく、外部の経営資源を有効に利用しつつ、製品の開発を行っていくことができます。


これまで、「オープン戦略」はIT業界を中心に行われてきました。しかし、自動車業界でほとんど例がなく、昨年6月に米国の電気自動車会社のテスラ・モーターズ、そして今年の1月にトヨタ自動車がそれぞれ電気自動車(EV)と燃料電池自動車(FCV)の特許を開放し、話題を集めています。



ここで、両社に共通するのは、EVやFCVの普及を加速させたいという強い思いではないでしょうか。


電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCV)の普及には、いずれもインフラ整備が不可欠です。そして、そのインフラは規格が統一される必要があり、インフラに設備投資するには、それら自動車の普及が見込まれないと、投資が行われません。


すなわち、技術を自社のみで保有するのでなく、それを開放することで自動車業界全体で、EV・FCVの開発に着手したほうが早道です。どんなに各市場において技術的な優位性を持っていても、その市場が拡大されないと意味はないため、まずを各市場を拡大させようという狙いがあると考えられます。また、そうすることにより、最終的には、デファクトスタンダードを得ようというのも狙いもあるようです。


一方、テスラとトヨタの「オープン戦略」には違いも見られます。


それは、特許の開放の仕方です。トヨタの場合は、通常の特許実施権の提供を受ける手続きと同様に、トヨタに申し込みをして具体的な実施条件を協議した上で契約書を締結することで、無償の「条件付」実施権を得ることができます。つまり、特許開放といえども、契約書等によって何らかの条件が課すことで、トヨタの市場コントロールが可能となる可能性が高いと考えられます。


一方、テスラモーターズの場合、テスラの技術を誠意をもって利用する者は、誰でも利用できる形をとっており、市場をコントロールしようという意図は少ないように感じられます。また、開放期限にも違いがあり、テスラは期限を述べていないのに対して、トヨタはステーション系を除いて普及初期段階の2020年までとしています。


このように、同じ特許開放であっても戦略には大きく違いがあるようです。これは、テスラとトヨタの開放した特許数の違い(テスラは約200件、トヨタは約5,600件を開放)や、各会社の社会的な立場にも起因していると思われます。


いずれの会社の特許開放オープン戦略も、EV・FCVの普及に貢献するでしょう。しかし、自動車の普及にどれだけ影響を与えるかは今のところ未知数です。今後、戦略の違いが普及にどのような影響を与えるのか、とても楽しみです。


●参考ウェブサイト

-トヨタ・ニュースリリース

-東洋経済

-IPFbiz

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