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2015年2月3日

【水素エネルギー】東芝、水素を用い電力を貯蔵

先月16日付けの日本経済新聞によると、株式会社東芝(東芝)は、水素を使い電力を大量貯蔵するシステムを2020年にも実用化すると報道されました。水を電気分解して水素を生成し、必要に応じ燃料電池で酸素と反応させ電気として取り出すものです。


まず実証試験機として、1万世帯が8時間使う電力に相当する4万キロワット時(40MWh)を蓄えられるシステムを開発し、600平方メートルほどの敷地に燃料電池や電気分解装置、水素貯蔵タンクなどを組み合わせて設置するようです。

装置では水を電気分解して得た水素をタンクに貯蔵し、燃料電池で空気中の酸素と反応させ電気を作ります。


▲水素による電力貯蔵装置全体像(引用元:東芝ウェブサイト)



▲水素による電力貯蔵装置の構成(引用元:東芝ウェブサイト)


本システムの特徴は、固体酸化物形燃料電池の技術を適用し、高温で電気分解を行う事で、電力消費を抑える点です。そのため、一般的に揚水発電の貯蔵効率が70~75%程度と言われるのに対し、それ以上の効率を狙う事ができます。


東芝の技術レビューによると、蓄熱材を導入し、発電の際に発生した熱を貯め、電気分解の際にはその熱を利用して効率化を図るようです。


現在、電力会社は太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの発電量が増えていますが、それら電力は出力が不安定であることから、北海道など一部地域において、接続制限を行わざるを得ないケースが出てきています。


しかし、そのような不安定電源であっても、このシステムを利用し出力を安定化させることができるならば、電力事業者にとってもメリットが大きいと思われます。それだけではなく、今後の燃料電池車用の水素として、発生させた水素を利用する事ができればよりクリーンに自動車を使えるようになることは間違いありません。


実用化までにはもうしばらくかかりそうですが、これまでの電力貯蔵に比べて、効率のよいシステムであり、社会に導入されることがとても楽しみです。


●参考ウェブサイト:

-東芝、水素使い電力貯蔵 設置費用は蓄電池の半分(2015年1月16日付日本経済新聞)

-再生可能エネルギーを活用する水素電力貯蔵システム(東芝レビュー2013年Vol.68, No.7)

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