先週のコラムでは、日本で行われているEVカーシェアリングについてご紹介いたしました。日本でこれまで行われてきたカーシェアリング事業はいわゆる「レンタカー」のようなイメージがどちらかと言うと強かったかも知れません。

一方で、徐々にではありますが、乗り捨て可能なカーシェアが徐々に増えており、まさにカーシェアリングとしての使い勝手がよくなってきています。そこで、本日のコラムでは海外で行われている電気自動車（EV）によるカーシェアリング事業のうち、代表的なものを２つご紹介したいと思います。

○GoGoEV関連コラム

-【EV】電気自動車のカーシェアリングが増えてきています（2015年9月11日付）

-【EVカーシェア】進む世界のEVカーシェアリング（2013年7月5日付）

本日ご紹介するサービスは、米国および欧州を中心に行われている「CAR2GO」と、仏パリを中心に行われている「Autolib」です。

CAR2GOとは、ダイムラーが手掛けるカーシェアリングサービスで、既に、以下の30都市でサービスが始まっています。

・アーリントン（米）

・アムステルダム（蘭）

・オースティン（米）

・ベルリン（独）

・カルガリー（加）

・コロンバス（米）

・デンバー（米）

・デュッセルドルフ（独）

・フィレンツェ（伊）

・フランクフルト（独）

・ハンブルグ（独）

・コペンハーゲン（丁）

・ケルン（独）

・マイアミ（米）

・ミラノ（伊）

・ミネアポリス（米）

・モントリオール（加）

・ミュンヘン（独）

・ニューヨーク（米）

・ポートランド（米）

・ローマ（伊）

・サンディエゴ（米）

・シアトル（米）

・ストックホルム（瑞）

・シュトゥットガルト（独）

・トリノ（伊）

・トロント（加）

・バンクーバー（加）

・ワシントンDC（米）

・ウィーン（墺）

▲CAR2GOイメージ動画

日本でもSMACOというサービス名で横浜を中心に実証試験が始まりましたが、欧米の方では既にダイムラーは積極的な展開を行っています。また、ダイムラー社が行うということで、全ての自動車がsmart for two electric driveとなっているのも特徴的です。

ステーションが非常に多く設置され、また、ウェブサイト・アプリからステーションのどこに自動車があるかを確認し、利用者はそこから目的地付近のステーションまで行き、そこで乗り捨てることができます。このように、利用者にとっては利便性が高く便利となっています。

利用料金は1時間なら約1,800～2000円(14.9ユーロもしくは14.9ドル：1$=120円、1€=135円換算）、１日なら8,000円～10,000円(59ユーロもしくは89ドル）となっています。その他、1分単位課金もあり、利用者の都合に合わせたフレキシブルな使い方ができそうです。

本日ご紹介するもう一つのカーシェアリングサービスは仏パリを中心に行われている”AUTOLIB”（オートリブ）というサービスです。CAR2GOと同様、ステーションに設置されている返す必要はなく、自分が行きたい場所の最寄りのステーションに駐車すれば良いサービスとなっています。

自動車は元々製紙業や運送業を手掛けていたBolloré社が自社生産する電池を使ったBluecarという電気自動車が使われています。

▲AUTOLIBで利用されているBolloré Bluecar（出典：Autolibウェブサイト）

パリのような大都市では駐車場を探すことが難しく、車は持たないけれどちょっと荷物が多いお出かけや買い物などに重宝しそうです。また利用料金は、会員種別によって異なりますが、最初の30分は740～1,200円（5.5～9ユーロ：1€＝135円換算）、以降は1分課金となります。時間当たりの料金が最も安い会員は年間会員で、別途年間120ユーロが必要になります。

以上、本日のコラムでは乗り捨てOKな世界のカーシェアリングについてご紹介しました。このように、どんどんと利便性が良く、また、利用者にとって嬉しいサービスが行われています。経済性や利便性に加え、環境面からも必要なときにだけ自動車に乗るカーシェアリングというものが今後、広がっていくかもしれませんね。

●参考ウェブサイト：

-Car2Go

-Autolib