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2015年9月25日

【EV/PHEV】イギリスにおける超低排出自動車についての理解

今年の8月、英国Brook Lyndhurs社は同国運輸省向けのレポート「Uptake of Ultra Low Emission Vehicles in the UK」を纏めました。同社は1999年より英国を中心に活動し始めた独立系の研究戦略コンサルタントで、持続可能な社会を理解し、それをもたらし、促進するためのテーマを取り扱っている会社です。


今回のレポートは、英国を中心として超低排出自動車に関する最新の研究状況や結果とデータなどをレビューするものです。これは、英国政府が2040年を目標にすべての販売される自動車を超低排出自動車に変更していこうと考えているからです。


それでは、本レポートで示されていました結果のうち、とりわけ興味深いものについて取り上げたいと思います。


まず最も興味深いのは、イギリスにおいて電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)を含めたEV全般を購入した乗用車ユーザーの自動車選択理由です。図を見ると、半分以上のユーザーが燃料費の削減と答え、続いて環境性能や新しい製品としてという観点で選んでいます。日本と異なると感じるのはPICG(補助金:Plug-in car grant)や静かさなどで選んだという理由が少ない事では無いでしょうか。


▲イギリスにおけるEV購入理由(乗用車ユーザー)(出典:Uptake of Ultra Low Emission Vehicles in the UK)


続いて、商用車ユーザーの場合は、乗用車ユーザーと大きな傾向は同様、燃料費の削減や税制優遇など経済面の理由、続いて、環境面やCSRなどの観点などが大きな割合を占めています。


▲イギリスにおけるEV購入理由(商用車ユーザー)(出典:Uptake of Ultra Low Emission Vehicles in the UK)


対して、本レポートではEV、PHEVの普及が進む米国カルフォルニアにおける同様のデータも示されています。EV/PHEVのいずれにおいても燃料費の削減が最も大きい理由として挙げられ、続いて環境性が選ばれています。このような結果は英国の傾向と近いと思われます。


一方で、カルフォルニア州ならではというのがHOV(High-Occupancy Vehicles)レーンと呼ばれる、2人以上が乗車するか、もしくは低公害車のみが走行可能なレーンを使えるという理由も挙げられています。


▲アメリカ・カルフォルニア州におけるEV購入理由(乗用車ユーザー)(出典:Uptake of Ultra Low Emission Vehicles in the UK)



▲アメリカ・カルフォルニア州におけるPHEV購入理由(乗用車ユーザー)(出典:Uptake of Ultra Low Emission Vehicles in the UK)


以上のデータはEV/PHEVを購入した場合の理由ですが、反対に購入における障害についても調査結果が示されていましたのでご紹介します。

あくまで英国でのデータということですが、1位は充電インフラ、2位が航続距離、3位がコストとなっており、それらが懸念の3大要素となっているようです。


▲イギリスにおけるEV全般の購入に踏み切れない理由(出典:Uptake of Ultra Low Emission Vehicles in the UK)


日本では充電インフラの整備が急速に進みつつあり、また、自動車側の航続距離も徐々に伸びつつあります。それに伴ってコストも下がりはじめており、今後、英国などEV、PHEVの普及が大きく進んでいない地域でも、EV、PHEVの普及が加速するかも知れません。


また、日本での同様のアンケート結果などがあれば比べてみたいですね。


●参考ウェブサイト:

-Uptake of Ultra Low Emission Vehicles in the UK

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