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2015年12月25日

【EV・PHEV・FCV】「自動車の電動化がキー」将来の自動車はどうなる?(トヨタ・日産・ホンダ)

自動運転技術が注目された東京モーターショーですが、それだけではなく、様々な分野で将来の自動車技術の芽が出始めています。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)にとってもそれらの技術はどのように融合するのか気になるところ。


そこで、国内・海外の自動車会社、また、世界的に注目を集める企業が自動車についてどのように捉えているのかシリーズにてレポートしています。前回はシリコンバレーベンチャーのGoogleとAppleを取り上げました。


●GoGoEV関連コラム(2015年12月18日付)

-【EV】「ソフトウェアが鍵」将来の自動車はどうなる?(Google・Apple)


今回は日本の自動車会社に注目し、将来の自動車について各社の考え方をみてみたいと思います。


●トヨタ自動車

トヨタ自動車代表取締役社長豊田章男氏とマーク・ベニオフ米Salesforce.com会長兼CEOが「Salesforce World Tour Tokyo」にて対談より、今後のトヨタ自動車の方向性が垣間見えます。


まず自動運転についてですが、Googleを始めとするIT企業がそれら技術に関心を示していることについて、以下のように述べています。


IT業界が考える自動運転と、我々クルマ屋が考える自動運転は根本から異なる。人間を動かすのは人間だけ。A地点からB地点に運ぶ、それだけでは我々の求める自動運転ではない。最後は人間が扱う部分を残しておくべき。

また、同氏は、自動車業界とIT業界とのコラボレーションに興味を持っていて、「走る」、「止まる」さらに、「つながる」が加われば、真の意味でサステナブルで魅力的な自動運転カーが誕生する可能性についても言及しています。


▲トヨタ自動車豊田章男氏(出典:ビジネス+ITウェブサイト)


一方で、トヨタは次世代自動車として水素燃料電池自動車(FCV)に力を入れています。豊田氏はFCVは「自動車の歴史におけるターニングポイント」と捉えており、トヨタ自動車として本気で開発に取り組んでいることがよく伝わってきます。そして、究極のエコカーはトヨタが提供するMIRAIであり、資源がない日本でも未来永劫楽しめるモビリティの追求から開発したクルマとなっているとのことです。


FCV普及の最大の課題は燃料である水素を供給する「水素ステーション」の整備ですが、豊田氏は、水素ステーションがないから水素自動車に乗らない、ではなく、水素自動車に乗りたいから水素ステーションを作る、という方向性で自動車会社としてできる準備を今最大限に準備しているところと、対策を行う意向を述べています。


今後、トヨタ自動車を始めとする自動車会社が水素ステーション整備について、どのような手を打ってくるかも、EVやPHEVユーザーには気になるところです。


●日産自動車

日産自動車のCEOカルロス・ゴーン氏は、今年11月のインタビューの中で、EVを優先した後、2020年に日産がドイツのダイムラー社と共同開発しているFCVを市場に投入すると述べています。同時に、FCVの開発を急いでいるのではなく、まずはゼロ・エミッション自動車としてのEVにてリードを保ち、その間にFCVの開発を行う方向のようです。


一方で、日産におけるFCVの位置付けは、高い自動車開発コストと水素ステーションの整備についての課題においてハードルがあると認識しており、それは、日産がEV普及で直面した充電インフラの整備不足によるEVがなかなか普及しなかった経験から出ているようです。すなわち、FCVの普及を推進する他社とは一線を画す方針のようです。


▲日産自動車カルロス・ゴーン氏(出典:Bloomberg)


●ホンダ

ホンダの八郷隆弘社長が、今年7月、東京・青山本社において行った社長就任記者会見を参考に、将来の自動車についてみてみます。その中で、次世代エネルギーを用いる自動車としてホンダは明確にFCVを挙げました。その上でFCVを頂点に、次世代のモビリティとして電動化技術を核とした製品を展開すると述べています。すなわち、電動化技術をキーとして基本的に電動化技術を中心に自立構築していき、ハイブリッド車、PHEV、EV、FCVという電動化技術をしっかりとやっていくと考えているようです。


▲ホンダ八郷隆弘氏(出典:Youtube)


以上、トヨタ自動車・日産自動車・ホンダの日本の自動車メーカー各社の経営者が、今後の自動車をどのように見ているか紹介しました。将来の自動車としてFCVというキーワードがいくつか出ていますが普及にはまだまだ課題が多く、一方で大きな流れとして自動車の電動化という流れが進んでいくことは3社とも強く意識していることがわかりました。おそらく、今後数年は次世代自動車にとって一つの転換期となるかもしれません。


EVやPHEVはその先端を走り、その後をFCVがついていく事になるでしょう。今後、それら自動車について当コラムでも取り上げたいと思います。


●参考ウェブサイト:

-「トヨタがトヨタであるために──豊田社長が語る自動運転カー、水素自動車のこれから」(ビジネス+IT)

-EV advocate Ghosn eyes fuel cell entry around 2020(Automotive nees)

-Honda 社長会見(Youtube)

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