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2016年1月25日
今月6日、米国ゼネラルモーターズはネバダ州ラスベガスで行われた国際家電見本市「CES
(Consumer Technology Association)2016」において、今年発売する予定の電気自動車(EV)「CHEVROLET BOLT EV」を発表しました。このEV、大きな特徴が2つあり、もしかするとこれまでのEVの常識を覆す可能性があるかもしれません。
そこで、本日のコラムではGMシボレー「Bolt EV」を取り上げ、その可能性を考えてみたいと思います。
○GoGoEV関連コラム
-【EV】General Motors「Chevrolet Spark EV」(2014年2月14日付)
-【EV】GM・電気自動車コンセプトを発表 名前はシボレー「ボルト(Bolt)」??(2015年1月30日)
-【PHEV】GM・新型のシボレー「Volt」を発表!!(2015年1月29日)
▲シボレーBOLT EV(出典:ゼネラルモーターズプレスルーム)
▲シボレーBOLT EVの特徴
まずシボレーの特徴と思われるのは以下の3つです。
(特徴1)バッテリーを60kWh搭載
(特徴2)3万ドル(360万円:1ドル=120円換算)を下回る価格設定
(特徴3)名前が同社のプラグインハイブリッド車(PHEV)「Volt」と似ている
まず特徴1ですが、これまで量産されているEVメーカーにおけるバッテリー容量はおおよそ30kWh以下が通常でした。例えば、リーフは長年24kWhのバッテリを積み、また、三菱アウトランダーPHEVは12kWh、BMW i3も22kWhでした。一方で、大きな電池を積むことをコンセプトにしてきたのが米電気自動車ベンチャーのテスラモーターズで、これまで60kWh/70kWhおよび85kWh/90kWhの電池を搭載したモデルS、モデルXを販売しています。
すなわち、ほとんどのEVメーカーがEVコストを下げるため電池容量を少なくしてきたにも関わらず、今回シボレーBolt EVは60kWhという電池容量にチャレンジしています。
この点はこれまでのEV業界の常識と一線を画する動きと思えます。
特徴2は価格がタックスクレジットという減税措置を考慮して3万ドル(360万円:1ドル=120円換算)以下の設定になるということです。60kWhのテスラModel Sが発売当初6万ドル(720万円)程度だったことを考えると半額以下となります。
また、シボレーBolt EVの航続距離は200マイル(約320km:米国Environmental Protection Agency(EPA)基準)と発表されています。EPA基準は日本基準とは異なり、例えば30kWhのリーフの航続距離が172km、60kWhのテスラモデルSが335kmであることを考えると、性能的にはこれまでのEVに比べて同等程度と言えそうです。
▲シボレーBOLT EVの構造
特徴の3つ目は、名前が同社のPHEV「Volt」と似ていることです。Boltについての報道が行われて以来、米国のウェブサイトやSNSで指摘されていますが、英語圏以外の人には「Volt」と「Bolt」の違いが分かりづらく、何故この名前にしたのかが議論となっています。中には陸上選手の「ウサイン・ボルト」を想像させるからではとの意見もあり、真相が気になります。
なお、GM側もそれについては認識しているとのコメントを出した上で、それでもなお最終的に「Bolt」という名前を採用したとのこと。何らかのマーケティング戦略や広告戦略があったとすれば、とても面白いです。
以上、米ゼネラルモーターズが発表したシボレーBolt EVについて眺めてみました。上記三点も含め、新たなEVの世界を切り開く可能性のある自動車として今後の展開が期待されます。今後とも同車についてウォッチしていきたいと思います。
●参考ウェブサイト:
-2017 CHEVROLET BOLT EV SETS BENCHMARK FOR EV DESIGN (General Motors Press Room)
-2017 BOLT EV公式ウェブサイト (General Motors)
-'Bolt' name is a keeper, says Chevy marketing boss (USA Today 2015.4.16)
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