2016年6月27日(月) 1時

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【EV/PHEV】電気自動車・プラグインハイブリッド車の電池容量保証

ここ数年間、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)市場はものすごいスピードで成長しています。絶対数が少ないため、実感としてはまだまだ普及していない気がする部分もありますが、数値のみを見ると過去6年は年平均20%以上の成長率で普及しています。

一方、2009年に三菱自動車工業がi-mievを発売、2010年に日産自動車がリーフをリリースし、また、2012年のトヨタ自動車・プリウスPHV登場以降、2016年現在で既に5年以上走行した自動車もある程度増えてきました。そして、年月が経ち、走行距離が増えてきた際に気になるのがバッテリー容量の低下です。


EV/PHEVユーザーの皆さんは購入時にそれぞれの自動車の保証内容を確認していると思いますが、EV/PHEVユーザー以外の方にとってはなかなか知られていない事も多いのではないでしょうか。そこで、本日のコラムではEV/PHEVの電池容量保証について取り上げたいと思います。


まずは日産自動車から見ていきたいと思います。日産自動車からはリーフ(電池容量:24kWh/30kWh)と、e-NV200(電池容量:24kWh)が発売中ですが、いずれの車種でも24kWhの場合は5年間10万kmまで、30kWhの場合は8年間16万kmまでのバッテリー容量劣化保証が無償で受けられます。


保証が受けられる基準は、以下の図にあるように、自動車のバッテリー容量計が8セグメント(初期時は12セグメント)以下となった時です。すなわち、既定の年数もしくは距離数に到達するまでにバッテリー容量が低下した際、日産自動車の負担にてバッテリーの修理を行ってもらえます。

なお、8セグメントというのはバッテリーがおよそ66%を下回った状況であり、満充電でのカタログ上での航続距離が130km(24kWhの場合)/170km(30kWh)を下回ることを意味します。すなわち、実際の燃費や充電タイミングを考慮した運用では24kWhで100km程度、30kWhで140km程度毎には充電をしておいた方が安心と言えそうです。ざっくりとしたイメージですが、新車カタログ値の半分程度の航続距離の運用となる状況と言えるかも知れません。



▲日産リーフのバッテリー容量保証(出典:日産自動車ウェブサイト)


続いて三菱自動車について見てみたいと思います。三菱自動車の場合、容量低下については初年度登録後8年以内もしくは走行16万km以内に電池容量が初期の70%を下回った場合、駆動用バッテリーを無償で修理・交換してくれます。販売中のアウトランダーPHEVおよびMievシリーズのいずれも、容量保証については同じ内容になります。


なお、容量保証及び修理サポートを受けるには、販売会社のサービス工場にて、12ヶ月点検相当の点検(有料)と駆動用バッテリーの容量測定(有料)を実施し、メンテナンスノートに点検記録を残す必要があります。中古車で購入された場合などはこの点を気をつけておきたいですね。


▲三菱mievシリーズならびにアウトランダーPHEVのバッテリー容量保証(出典:三菱自動車ウェブサイト)


トヨタ自動車は現在、先代プリウスのプラグインモデル「プリウスPHV」を発売中です。航続距離はJC08モードで26kmとなっています。プラグインモデルのためか、電池容量についての保証はなく、一般的なハイブリッド車と同様のメーカー保証(5年、10万km)のみがついています。

ただし、今秋に発売される予定の新型プリウスPHVについては電池容量が現行の4.4kWhから8.8kWhに増加することから、容量保証なども新たに追加されるかも知れません。


その他、海外メーカーに目を移すと、電池容量の保証は以下のようになっています。

・BMW:8年10万kmまでで電池容量が残存率70%以下となる場合

・フォルクスワーゲン:8年16万kmまでで電池容量が残存率70%以下となる場合

・テスラモーターズ:8年走行距離制限なし


また、皆様の知見を共有するためにも、もしよろしければ、下のコメント欄にGoGoEVユーザーの皆様の電池容量なども書いていただければ嬉しいです。その際には、主に以下の項目について書いた上で、他のユーザー様やガソリン車ユーザー様などへのアドバイスなどを頂けると幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします!

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1. 新車登録からの使用期間:  年

2. 新車登録からの走行距離:  km

3. 1日あたりの走行距離・頻度:  km程度/毎日

4. バッテリー交換の実績:有/無

5. その他アドバイス・コメント等:

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●参考ウェブサイト:

-リチウムイオンバッテリー容量保証(日産自動車)

-アウトランダーPHEV及びMiEVシリーズ駆動用バッテリーの保証(三菱自動車工業)

-メーカー保証について(トヨタ自動車)

-BMW i3(BMW)

-Wolfi サポート(フォルクスワーゲン)

-Model Sの仕様(テスラモーターズ)

コメント一覧

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17 件

2016年7月5日(火) 22時

leaf_ski様
GoGoEV事務局です。コメント&自動車の情報、ありがとうございます!59000kmで1セグメント欠けだと、日産の想定範囲の電池劣化というところでしょうか。次のセグメントがどのくらいの距離で欠けるのかがまたポイントになりそうですね。
mrobbyc様も仰っていましたが、満充電は電池劣化に影響を与えるのですね。

2016年7月5日(火) 22時

9659899様
GoGoEV事務局です。コメント&自動車の情報、ありがとうございます!お持ちのEVはi-mievのMグレードですよね。新車登録から39000km/5年半で、毎日50km乗られていて、また、急速充電を多用されていても電池劣化が無いと言うのは驚きました。上でmrobbyc様も仰っていましたが、これは、Mグレード(東芝SCiB)の特徴なのでしょうか?

2016年7月5日(火) 22時

tetu225 様
GoGoEV事務局です。コメント&自動車の情報、ありがとうございます!初期型のアウトランダーPHEVにお乗りなのですね。コメントにありました、電池寿命、充電効率、経済性のいずれも考えると、必然的にマナーが良くなるとの点、なるほどと思いました!マナーアップのところで、上手く絡めてアピールに使いたいですね。

2016年7月4日(月) 21時

リーフに乗っています。前回のマイナーチェンジ後の型です。
1. 新車登録からの使用期間:  3年半
2. 新車登録からの走行距離:  59300km
3. 1日あたりの走行距離・頻度: 30km程度/毎日 時々長距離
4. バッテリー交換の実績:有/無  無し
5. その他アドバイス・コメント等: 今年の冬スキー場との往復の中で走行距離が伸びなくなってきなーと思っていたら前日 1セルかけました。現在11セル。 59000kmとリーフとホームで毎日80%充電と給電を繰り返し を考えたら納得できます。満充電は平均1回/週程度自宅充電です。やはり満充電を極力少なく 急速充電は出来るだけ80%でやめとけば まだまだ 乗れると思います。又最近充電スポットも増えてきていますので 満充電をもっと減していきます。
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2016年7月4日(月) 21時

1. 新車登録からの使用期間:5年半 (中古で買って1年ちょい)
2. 新車登録からの走行距離:39000km
3. 1日あたりの走行距離・頻度:50km程度/毎日
4. バッテリー交換の実績:無
5. その他アドバイス・コメント等:SCiBバッテリーの劣化は全く感じません。
自宅に充電設備がなく100%外部充電で急速充電も多用してますが
先日のパッテリー容量測定では新品の103.8%でした♪
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2016年7月2日(土) 2時

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1. 新車登録からの使用期間: 2 年
2. 新車登録からの走行距離: 35000 km
3. 1日あたりの走行距離・頻度: 10~20 km程度/毎日
4. バッテリー交換の実績:無
5. その他アドバイス・コメント等:
2014年型アウトランダーPHEVに乗っています。自宅での充電は無しで、
外出先での充電です。三菱は1分単位での課金なので、効率を考えて定電流充電で止めるように心がけています。PHEVではSOCが70%で切り替わります。
先日、容量測定で96.8%の数字が出てきました。走行距離が長い割には高い維持率のようです。
電池寿命、充電効率、経済性を考えればおのずと充電マナーもよくなるのではと思う次第です。
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2016年7月1日(金) 14時

mrobbyc 様
GoGoEV事務局です。コメントおよび自動車の情報、ありがとうございます。EVを三台も使われていらっしゃるのですね。
確かに、EVはPHEVと違ってエアコンの影響はより大きいですし、エアコンを使わずとも充電速度や電池温度によって航続距離が変わりますよね。リーフが満充電保管が苦手とのこと、存じ上げませんでした。電池を守るための充電のやり方も色々ありそうですね。

2016年7月1日(金) 14時

c622angel 様
GoGoEV事務局です。コメントおよび自動車の情報、ありがとうございます。事務局メンバーにはアウトランダーPHEVが一番人気で、初期型、現行型それぞれオーナーがおります。
ガソリンによるエンジン走行と電池によるモーター走行を、それぞれの特徴を踏まえた上でマニュアル的に切り替えて運用されていらっしゃるのですね。PHEVならではの使い方ですね。
アウトランダーを運転すると、良く、あの大きな車体で50km程度の電池走行できるなと思うのですが、その意味でもPHEVとしてなかなか優秀なんじゃないでしょうかね。

2016年7月1日(金) 14時

kawazo 様
GoGoEV事務局です。コメントおよび自動車の情報ありがとうございます。リーフで高速に乗る事があるのですが、スピードによって電池残量の減り方が全然違いますので、プリウスでも同じような現象がありそうですね。私は足かけ毛布ではないですが、コートをひざ掛け代わりに使っています。

2016年7月1日(金) 11時

①MINICAB-MiEV 16kW
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1. 新車登録からの使用期間: 4年
2. 新車登録からの走行距離:107,000km
3. 1日あたりの走行距離・頻度: 60~100km程度/平日毎日
4. バッテリー交換の実績:無
5. その他アドバイス・コメント等:電池の劣化といえば若干ありますが、気になるほどではなく平地の一般道ではまだ100km以上走れます。山越えがあると-10km位です。それよりも外気温による影響の報が大きいです。冬では同条件で2割減と考えた方が良いと思います。
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②i-MiEV(M)
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1. 新車登録からの使用期間:3年
2. 新車登録からの走行距離:45,000km
3. 1日あたりの走行距離・頻度:20km程度/平日毎日
4. バッテリー交換の実績:無
5. その他アドバイス・コメント等:SCiBなので、充電は早いし、劣化も全くありませんがやはり夏冬の容量差は大きく2割くらい違います。
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③LEAF
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1. 新車登録からの使用期間:2年
2. 新車登録からの走行距離:45,000km
3. 1日あたりの走行距離・頻度:400km程度/休日毎日
4. バッテリー交換の実績:無
5. その他アドバイス・コメント等:色々な情報を集めた結果、この車だけは高温、満充電保管が特に苦手なようですので、満充電は使用前のみとしており、平日は40~80%で保管、使用しています。遠距離用として購入したため休日は急速充電を酷使していますが、今のところ容量計は減っていませんが、電池温度が気になります。
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