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2018年11月26日

【EVバス】乗用車向けパワートレインを活用したEVバス

電気自動車(EV)の特徴の一つに、パワートレインのモジュール化に対する適合性が挙げられます。モジュール化とは、製品設計などの考え方の一つで、互換性の高いモジュール部品を組み合わせることで、要求にあった製品を短期間で届けることができるというものです。例えば、パソコンなどはその典型と言えるでしょう。


EVに置き換えた場合、電池容量を20kWhにするか、40kWhにするか、または、モーターを50kWにするか、100kWにするか、などがフレキシブルに選択できることを意味します。既にテスラ社ではこのような対応がされていますが、さらに領域を広げ、今後はバスなどへの適用も広がりそうです。


本日のコラムでは、EVのパワートレインがバスに適用され始めた事例を2例、ご紹介したいと思います。


トルコKarsan社「Jest Electric」by BMW i3

1966年にトルコで設立された自動車メーカー「Karsan」は、乗用車を中心に製造を始め、現在はバスを中心に製造しているメーカーです。そのKarsanのラインナップの中で最も小型のシリーズがJestになります。定員は26人で車椅子でも比較的容易に利用できることが特徴です。


▲Karsan社 Jest(出典:Karsan社ウェブサイト)


そのJestに、BMW i3のパワートレインを採用したEV版「Jest Electric」が、新たに開発されたと発表されました。特徴は、BMW i3のバッテリーパックを2つ使用し、合計88kWhの容量を確保している点です。10月に欧州で発売開始されたばかりのBMW i3のバッテリーパックが適用されているとみられます。なお、航続距離は210kmとのことです。


▲Karsan Jest Electric(出典:BMW社ウェブサイト)


一方で、モーターはBMW i3のものがそのまま使われているようで、出力120kW、最大トルク250 Nmとなっています。なお、BMW社によると、i3のバッテリーなどは、ドイツポストのスクーターや舶用などのデモンストレーションプロジェクトにも使用しているようで、電動化の可能性を広げる一環として今回、取り組んでいるようです。



熊本EVバス by 日産リーフ

GoGoEVコラムでも一度紹介した環境省委託事業「CO2 排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」にて製造されたEVバスですが、実はこれも日産リーフのパワートレインを利用しています。既報の通り、バッテリー容量は120kWhと、最新のリーフの4倍の容量が搭載され、航続距離はおよそ50kmが目標とされました。


▲熊本のEVバス(出典:熊本市ウェブサイト)


一方、今回、日産自動車の公式Youtubeを見て気付いたのですが、駆動モーターもリーフと同じものを利用しているとのことで、2つのモーターを組み合わせてバスを走らせると共に、補器用には別途もう一つのモーターが設置されたとのことです。日産自動車の開発担当者も、ビデオ内で述べていますが、EV技術の可能性がさらに広がり、様々な車種への広がりの可能性が生まれています。


現在のプロジェクトはいずれもデモンストレーションレベルと言えますが、今後、乗用車向けパワートレインをモジュールとして活用することで、EVバスなどの可能性が広がっていくことを期待したいと思います。


●参考ウェブサイト:

-BMW i also advances electromobility in local public transport.(BMW社プレスリリース:2018年11月8日)

-【EVバス】最新のEVバスの実証&導入状況(2018年2月19日付GoGoEVコラム)

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