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2013年5月31日
世界の大手自動車メーカのうち、これまで電気自動車の開発・販売に本腰を入れて来た企業は、日産のみと言えるでしょう。
しかし、テスラモータースが黒字転換した事を機に、スタートアップ企業も注目されています。
今日は、これまで世界で設立された電気自動車のスタートアップ企業のうち、テスラ以外の大きな資金を集めた会社について見てみたいと思います。
・Fisker Automotive(2007年設立:カルフォルニア州アナハイム)
Fisker Automotive Website2007年創業のプラグインハイブリッド車の老舗メーカです。「Karma」が有名です。米国エネルギー省から$529million(529億円:1ドル=100円換算)の融資プログラムに採用され、既に169億円(1ドル=100円換算)が使われました。
しかし、2013年4月に75%の従業員を解雇、現在、連邦破産法11条の適用について、法律事務所から助言を受けたと報道されています。
参考:エコカーの米ベンチャー両雄に明暗――フィスカー失速の真相
・Coda Automotive(2009年設立:カルフォルニア州サンタモニカ)
Coda Automotive Website2009年創業の電気自動車&バッテリーシステムのスタートアップ企業です。$200million(200億円:1ドル=100円換算)以上の資金を集めましたが、自動車の販売開始が当初の2010年から2012年に遅れ、2013年5月、連邦破産法11条の適用を受けました。
参考:氷河期を迎える米国EVベンチャー、CODA Automotiveが経営破綻
・Better Place(2007年設立:イスラエル/カルフォルニア州パロアルト)
Better Place Website日本においても経済産業省と共同プロジェクトを行っていたのでご存知の方が多い電気自動車関連スタートアップです。2007年米国で設立し、総計$850million(850億円:1ドル=100円換算)の投資を集めました。電池交換システムを特徴とし、自動車は日産・ルノーより供給されていました。
近年は、イスラエル、デンマーク、オーストラリアなどでプロジェクトを行っていたそうですが、2013年5月にイスラエルにて会社精算手続きに入ったと報道されました。
参考:8億ドルを集めた電気自動車バッテリーのスタートアップBetter Placeが会社精算へ―グリーン企業に試練続く
・REVA(1994年設立:印バンガロール)
Mahindra REVA1994年にインドで設立された電気自動車会社ですが、最も成功している電気自動車会社の一つと言えるでしょう。世界20カ国以上で販売され、2006年には$20million(20億円:1ドル=100円換算)の投資を受け、2010年にはインドの自動車製造企業「Mahindra」に買収され、今も成長が続いています。なお、REVAは日本でも購入可能です。
参考:電気自動車業界におけるビジネスモデル インド REVA社の事例
このように、2000年代から開発&投資が行われて来た電気自動車関連スタートアップ企業は、ここに来て、利益を上げるに至った企業と、倒産に追い込まれた企業に分かれて来た感じを受けます。
これら現実から、電気自動車の未来が危ういと言った事を感じる人もおられるでしょうが、イノベーションへの投資が実を結びつつある過程にあるのだとも捉える事が出来るのではないでしょうか。
イノベーションへの投資は、「投資したいくつかの企業のうち1社でも成功すれば社会が変わる」と言われます。これからの、電気自動車の普及と社会的成功を期待したいと思います。
なお、筆者がこれまで注目して来た、主な電気自動車スタートアップ企業は上記くらいですが、読者の皆様のうち、他にご存知の企業(10億円以上の資金を集めたスタートアップ企業)がありましたら、ご教示下されば幸いです。
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