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2013年10月2日
9月26日の記事(【自動車インフラ】エコカー普及へ向けた石油業界の取り組み)で石油業界のエコカー普及に向けた取り組みについて触れました。
そこで今回はガソリンを売りたいはずの石油業界が、何故エコカー普及の取り組みを行うのかについて、燃料電池車(FCV)燃料である水素に的を絞り、ビジネスの観点から考察していきたいと思います。
ある試算によると、石油精製業界からの高純度水素(純度99.999%)の工場渡し価格は 11.1 円/Nm3〜12.0 円/ Nm3と試算され、これは製鉄所からの高純度水素 16.3 円/ Nm3〜18.1 円/ Nm3 に比べて 5 円〜6 円程度安く供給できます。このように、石油業界が製造する水素はコスト競争力を持ち、ビジネスとして成立しやすいと想定されます。
また、別の試算では石油業界の2020年時点での年間水素供給可能量は約35億Nm3と試算されており,これは2020年時点にFCVが仮に500万台以上走行していたとしても、その水素需要(約62億Nm3)の半分以上を満たすことができます。
石油業界はこれまで、自動車用燃料の生産、流通、小売りに至るサプライチェーンとその供給網を持っており、大きな強みだと考えられます。すなわち、仮に水素を安く生産することができても、流通や小売りコストが大きければ水素燃料の販売価格は安くなりません。つまり、石油業界は既存のサプライチェーンを利用する事で、流通・小売りコストを抑えることが出来ることができます。また、これまでの石油製品の生産、流通、小売りを通して構築したお客様との信頼関係も他の業界からの参入に比べ、有利に働く要因になるでしょう。
燃料電池車(FCV)の2015年発売開始に向け、水素ステーションの設置も急ピッチで行われています。今後、ガソリンスタンドで、ガソリン、軽油に加え、水素が供給される日も、近いかも知れません。
●参考ウェブサイト
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