GoGoEVからのお知らせや、アンケートの結果、充電スタンド関連企業のプレスリリースを掲載しています。
2017年3月6日
自動車レースの最高峰といえばF1(エフワン)世界選手権ですが、F1と同じ国際自動車連盟(FIA)が主催する電気自動車(EV)による自動車レース、フォーミュラEというものが行われていることをご存知でしょうか?フォーミュラEは2014年に初めて開催され、現在、3年目となる2016-2017シーズンが行われています。
ご存知の方も多いと思いますが、自動車レースの世界にもパワートレインの技術革新の影響が訪れています。F1では2009年よりブレーキ時のエネルギーを回収しモーターで加速する回生ブレーキシステムの搭載が選択式で認められるようになりました。さらに、2014年シーズンからは燃料積載量の制限からエネルギー効率向上したパワートレインシステムがレース結果において重要になってきており、ターボチャージャーの搭載などによるエネルギー回生技術が発達している状況です。
また、同じ2014年にはパワートレインをモーターのみとするフォーミュラEも始まるなど、同年はまさに自動車レースのターニングポイントとも言える年でした。
このような背景から徐々にではありますが、フォーミュラEへの注目も集まりつつあります。そこで本日のコラムでは、3シーズン目を迎えたフォーミュラEについて特集してみたいと思います。
○GoGoEV関連ウェブサイト:
-【EVレース】フォーミュラEにスーパーアグリ参戦(2013年11月8日付)
-【EV】フォーミュラE・今週土曜日から開幕!(2014年9月10日付)
▲フォーミュラE第3戦(ブエノスアイレスグランプリ)決勝スタートの様子(出典:Youtube)
まずマシンについてみていきたいと思います。初年度の2014-2015シーズンでは全参加チームが「スパーク・ルノーSRT_01E」というマシンを使いました。このマシンは、シャシーはダラーラ、パワートレインをマクラーレン・エレクトロニック・システムズ、バッテリーは ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、ギアボックスを ヒューランド、タイヤがミシュランが提供し、パワートレイン全体をテクニカルパートナーのルノーが監修していました。
▲スパーク・ルノーSRT_01E
2年目の2015-2016シーズンよりモーター、インバーター、ギヤボックスなどのパワートレイン部分の独自開発が認められ、その結果、参加10チームに対してNEXTEV、シトロエン、ベンチュリ、ルノー、マヒンドラ、マクラーレン、Motomatica、Abt Sportslineの8社がパワートレインを供給しました。ただし、シャシーは2014-2015と同じ、スパークレーシングテクノロジーによるシャシーを全チーム使うことが義務付けられていました。
3年目の2016-2017シーズンは2年目にパワートレインを供給したMotomaticaとマクラーレンが撤退し、新たにジャガーとAndrettiが加わり、2015-2016シーズンと同じ10チームによって争われています。また、シャシーはフロントウィングを大きく変更した形に変更、これまでのシーズンと同じく全チームが採用するに至っています。
▲フォーミュラE 2016-2017シーズン シャシー(出典:FIAフォーミュラEウェブサイト)
なお、現在のレギュレーションではワイヤレス充電が採用されているものの、実際にはピットに戻り充電が完了した別の車に乗り換え、規定時間(55秒)を経過したのちレースを再開しています。このように、F1と同様、ピットストップがあるのもフォーミュラEの見所になります。
続いて、参戦チームについてみていきたいと思います。2014-2015シーズンは以下の10チームが参戦しました。
・ヴァージンレーシング(英国)
・マヒンドラレーシング(インド)
・ドラゴンレーシング(米国)
・Damsルノー(フランス)
・トゥルーリフォーミュラEチーム(イタリア)
・アウディスポーツABT(ドイツ)
・ベンチュリフォーミュラEチーム(モナコ)
・アンドレッティフォーミュラEチーム(米国)
・アムリンアグリ(日本)
・チャイナレーシング/NEXTEV TCRフォーミュラEチーム(中国)
これら参加チームを見ると、F1の参加チームとは随分様相が違うことがわかります。というのも、F1ではメルセデスやウィリアムズ、フェラーリなど欧米チームが多い一方で、中国なども参加していることが特徴です。その後、2015-2016シーズンでは、名前の変更などが一部あったものの、概ね、2014-2015シーズンと似たチームで戦われました。
一方、マシンも変更された2016-2017シーズンからは参加チームもチーム名も変わり始めています。特に、中国系EVベンチャー2社(NEXTEV、ファラデーフューチャー)に加え、テスラに電池を供給しているパナソニックも参戦しています。また、中国チームも2社となっていることも注目です。具体的には以下の10チームで現在、シーズンを戦っています。
・DSヴァージンレーシング(英国)
・NEXTEV NIO(中国:EVベンチャー)
・ベンチュリフォーミュラEチーム(モナコ)
・ファラデーフューチャードラゴンレーシング(米国:中国系EVベンチャー)
・ルノーeDams(フランス)
・ABT Schaeffler アウディスポーツ(ドイツ)
・マヒンドラレーシングフォーミュラEチーム(インド)
・パナソニックジャガーレーシング(英国)
・Techeetah(中国)
・MSアムリンアンドレッティ(英国)
なお、2016-2017シーズンは既に香港、マラケシュ(モロッコ)、ブエノスアイレスでの第3戦まで終わっており、今後、メキシコシティ、パリ、ベルリン、ブリュッセル、ニューヨーク、モントリオールで9戦が行われる予定となっています。
最後に、今後の注目株となるであろうEVによる無人レース「ロボレース」についてご紹介します。2016年3月にロボレースに使用するロボカーコンセプトが発表されました。デザインは映画『オブリビオン』などを手がけたデザイナーダニエル・サイモンによって行われ、8月には開発車両「DevBot」による走行試験が開始しています。
▲無人レースカー”ロボカー”デザイン(出典:FIAフォーミュラEウェブサイト)
ロボカーは重量975kgであり、300kwのモーターを各ホイール毎に4台備え、最速200kmを実現します。既に、2016-2017フォーミュラEシーズンの第3回ブエノスアイレス大会で2台のデモカーによる走行デモも行われました。制御などは人工知能(AI)によって行われるそうですが、一体全体、どのようなレースになるのか今後のロボカーの発展も楽しみです。
▲無人レースカー”ロボカー”のお披露目の様子(出典:FIAフォーミュラEウェブサイト)
以上、本日のコラムでは3シーズン目を迎えたフォーミュラEについてご紹介しました。普段の生活とはちょっと違ったところでEVが活躍しているのも嬉しいですね!
●参考ウェブサイト:
2024年11月18日 【結果報告】環境問題への対策のための実証実験【昼充電へのシフトによる環境貢献】New |
2024年11月5日 環境問題への対策のための実証実験が終了しました【ご協力への感謝と参加特典のご案内】 |
2024年10月17日 パワーエックス 月額プラン「PowerX First」の提供開始を発表!業界最安級の従量課金制でEV充電のファーストクラスを実現 |
2024年10月1日 idemitsuでんきの【3つのおトク】!新規入会で電気料金が割引になるキャンペーンも実施中!【11月30日まで】 |
コメントをするにはログインまたはユーザー登録が必要です