各地で太陽光発電などの再生可能エネルギーと、電気バス（EVバス）が連携した取リ組みが行われておりますが、本日は富山県黒部市の宇奈月温泉で行われている、小水力発電とEVバスが連携した取り組みについて紹介いたします。

宇奈月温泉で行われているのは、「でんき宇奈月プロジェクト」という名称のプロジェクトです。小水力発電をはじめとした再生可能エネルギーと、EVバスによる公共交通事業を導入し、宇奈月温泉を先進的なエコ温泉リゾートして観光客誘致を促進するとともに、エネルギーの地産地消による自立した地域づくりを推進しています。

▲「でんき宇奈月プロジェクト」概要（出典:でんき宇奈月プロジェクト）

プロジェクトの一環として今月2日より、新たに小水力発電所が運転を開始しました。温泉街の中にある用水路の落差（10メートル）を理与水、一般家庭で4世帯分の電力が供給されます。また、発電した電力は、発電所周辺の防犯灯や地域内を循環するEVバスにも利用される予定です。

EVバスは週末を中心に温泉街を巡回しており、宇奈月温泉駅から旅館の往復や、温泉街の観光に無料で利用できます。

▲宇奈月温泉の電気自動車バス（出典：でんき宇奈月プロジェクト）

宇奈月温泉ではこれらのほかに、観光で利用可能な電気自動車、電動自転車のレンタルサービスの実施や、温泉水を利用した地熱発電の導入なども検討しており、今後、エネルギーの地産地消を拡大していく予定です。

今後、エネルギーの地産地消が進んだ観光地は、環境に優しい先進的な観光地として「低炭素型観光地」といった地域ブランドの向上が起こるかも知れません。”エネルギー”と”観光”という、異なるものが、新たに融合することで、新たな価値が創造され、イノベーションが促進されることを期待しています。

●参考ウェブサイト

-でんき宇奈月プロジェクト

-温泉街の用水路で小水力発電、EVバスに電力を供給して「エコ温泉」