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2015年11月13日

【東京モーターショー2015】HONDAブースレポート

先週まで東京ビッグサイトにて行われていた東京モーターショー2015について、GoGoEVコラムでもその様子をレポートしています。これまで電気自動車(EV)業界の雄である日産自動車、SUVで新たな可能性を切り開く三菱自動車、燃料電池自動車(FCV)路線を行くトヨタ自動車について取り上げました。


○GoGoEV関連コラム

-【東京モーターショー2015】TOYOTAブースレポート(2015年11月9日付)

-【東京モーターショー2015】三菱自動車ブースレポート(2015年11月6日付)

-【東京モーターショー2015】NISSANブースレポート(2015年11月2日付)


本日のコラムでは「自動車の電動化」の流れを意識しつつ、EV、PHEV、FCVのいずれも手掛けるHONDAについて取り上げます。


まず、HONDAのブースについて見てみましょう。全出展社の中で1,2の広さとなったのが今回のHONDAブースです。ホンダカラーである赤と白を使った配色で、目玉は世界初出品となったFCV Clarity Fuel Cellでしたが、他にもNSXや非常に面白いコンセプトカーが展示されました。



記者向け発表会では同社の八郷隆弘社長が登壇し、今後自動運転の実用化に向けた技術開発に注力することも示されました。同時に燃料電池自動車(FCV)を来年3月に企業や官公庁向けのリース販売から開始するとの発表がありました。



ホンダが今回展示したClarity Fuel Cellは、これまで実験用として供出されていたClarityをさらに進化させたもので、水素タンク圧力が350気圧から700気圧に向上したと共に、トヨタMIRAIと同様、2タンク構造となりました。すなわち、大きなタンクを後部シートの後ろに1つ、小さなタンクを後部シートの下に1つ配置する構造です。



一方でトランクはガソリン車と同様の広さが確保されると共に、ホンダClarity Fuel Cellは5人乗りが実現されています。外部給電機能も標準装備となり、アコードプラグインハイブリッドと同様の、別売り給電装置を用意する事で水素を燃料とした電気を供給することが出来ます。



パワートレインの中核となる燃料電池については、トヨタMIRAIがフロントシートの下に格納されているのに対し、ホンダClarity Fuel Cellではエンジンルームに収納されました。そしてその出力性能は奇しくもMIRAIと全く同じ3.1kW/Lです。この辺からも、両社の技術や設計思想は異なりながらも、ある水準に両社とも達していることを思わされます。



なお、FCV Clarity Fuel Cellは今後一般向けの販売も検討するとのことですが、発売時期は不明であり、当面はリース販売が中心となるようです。


また、ホンダの水素に対するコンセプトは「つくる・つかう・つながる」であり、単に水素を消費する自動車の部分だけでは無く、「水」より水素を作り出すところまで行っています。圧縮された水を電気分解し高圧の水素を発生させる「SHS(Smart Hydrogen Station)」の模型も展示が行われていました。



一方、前回のモーターショーにて展示されていたEVやPHEVについては今回のモーターショーでは少し控えめな展示となっていました。EVではマイクロモビリティのMC-βが試乗車として提供されていた程度となりました。ただその中でもGoGoEVスタッフの目を引いたのが、参考出展されていた「EVカブ」です。


ホンダはEV-neoという電気バイクを2011年から発売していますが、それに加え、ホンダの誇る大ヒットバイクである「カブ」の電気モデルが新たに提案されました。



スタイリッシュなその形もさることながら、カブならではの走行性、そして頑丈さなども引き継がれ、近いうちの市販が期待されます。


今後、ホンダは自動車をエネルギーを消費するものからエネルギーを使って繋がるものに変えていくのでしょうが、さらにエネルギーをつくるところまで踏み込み、新しい価値を生み出してくれる気がします。同社の取り組みにも要注目ですね。

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