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2017年11月14日

【東京モーターショー2017】HONDAが提案する電動自動車

前回のコラムでは、東京モーターショー2017において展示された、電動自動車(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車)のうち、トヨタ自動車の展示内容についてラップアップし、今後の展開について考えてみました。

続く第二回目コラムでは、HONDAを取り上げたいと思います。


●GoGoEV関連コラム

-【東京モーターショー2017】コンセプトカーから、東京モーターショー2017を読み解く(2017.11.03付)

-【東京モーターショー2017】トヨタ自動車が提案する電動自動車(2017.11.11付)


東京モーターショー2017において、HONDAトヨタ自動車では、1台の電動自動車のワールドプレミア、2台の電動自動車のジャパンプレミアがありました。また、今年8月より米国での販売が開始されたプラグインハイブリッド車「Clarity PHEV(クラリティ プラグインハイブリッド)」も展示が行われました。


以下、それぞれについて見ていきたいと思います。


HONDA NeuV(ニューヴィー)

HONDA NeuVは人とコミュニケーションを行うAI技術と自動運転技術を備えた電気自動車として、アメリカHONDAにて検討が行われました。ドライバーの表情や心拍数からストレス状況を判断し安全運転のサポートを行ったり、車を使わない時間に自動運転によって人に貸し出すなどもできるようになっています。


車としての特徴は、ガルウィングのような扉、そして、コミューターモデルとして2人乗りになっている点などでしょうか。


▲HONDA NeuV


HONDA EV Concept

HONDA Urban EV Conceptは電気自動車の量産に向け、技術とデザインはどうあるべきかとの問いに対するHONDAの回答です。新開発のプラットフォームを採用し、都市の移動に適したコンパクトカーとの意識で設計されており、デザイナーは親しみをもって所有してもらえる「タイヤのついたロボット・相棒」をイメージしたそうです。

また、フロント・リアの両方にメッセージ表示機能を備え、他のクルマや歩行者との会話などができるのも特徴です。NeuV同様、AI技術も搭載、ドライバーのライフスタイルや好みを学習して提案を行う機能なども検討されているようです。

なお、HONDA Urban EV Conceptは、2019年に欧州で、2020年に日本で発売が予定されており、最終的に、どのようなクルマに仕上がってくるかがとても楽しみです。


▲HONDA Urban EV Concept


Honda Urban EV Conceptとフロントフェイスは似ているものの、HONDAアイデンティティーである「スポーツマインド」にこだわったモデルがHonda Sports EV Conceptです。人とクルマのこれまでにない“一心同体”体験をもたらすことに主眼が置かれ、環境性に配慮しつつ、同時に電気自動車ならではの加速性・静粛性・低重心による優れた運動性能を実現することが謳われています。

さらに、Honda Sports EV Conceptにも他のEVコンセプトカーと同様AI技術が搭載され、人と車が心身共にひとつになることで、今の時代、特別な存在であるスポーツカーをより身近なクルマにしたいという想いも込められています。


▲HONDA Sports EV Concept


HONDA Clarity PHEV(クラリティ PHEV)

HONDA Clarity(クラリティ)といえば、これまで、水素燃料電池自動車の代名詞のような車でした。そのクラリティの名前を付けたPHEVが今年8月、米国を皮切りに発売が開始されました。日本では当面、リース販売が中心になるとのことですが、EV走行のみで100km以上の航続が可能(新型プリウスPHVは68.2km)、5人乗り(同プリウスPHVは4人乗り)にするなど、クルマとしての魅力や使い勝手を最大限重視したモデルとなっています。

一方で、何故、「クラリティ」の名前を付けたかの点について質問したところ、電動化のいきつく最終形態は「水素」を考えており、そのための1ステップであるからこそ、PHEVの名前を「クラリティ」としたとの答えでした。

今後、「クラリティ」シリーズはHONDAの電動化の一つの答えとして、水素、EV、PHEVの3車種が展開され、その意味で、非常に注目を集める車種となることは間違いないと感じました。



▲HONDA Clarity PHEV


その他

最後に、HONDAのブースで特に気になった2台をご紹介します。


一つ目は、コンセプトモデルであり、倒れないバイクとして紹介されていた「Honda Riding Assist-e」です。HONDAは、2030年ビジョンとして『自由で楽しい移動の喜び』『カーボンフリー社会の実現』を提案しており、それを実現するため、電動バイク機構が採用されています。

また、渋滞時など低速での走行、また、信号待ちなどを想定した停車時に倒れない構造が作れたという点もとても驚かされました。HONDAが開発していた「ASIMO」など、ロボットの研究で培ったバランス制御技術を応用したということです。


▲Honda Riding Assist-e


ワールドプレミアの電動バイクとして展示されたのが「HONDA PCX Electric」です。HONDAはこれまで、電動バイクの開発に力を入れ、既に市販も行ってきましたが、今回展示した車種は、同社のビッグスクーターPCXに、着脱可能な電池パック(Honda Mobile Power Pack)を搭載し、電気のみで走行する二輪車として提案しました。

充電は100Vコンセントないしは電池パックを取り外して可能であり、航続距離も日常用途には不便にならない程度の距離を目指すとの事です。早ければ2018年にも発売される可能性があるとのこと、期待したいと思います。


▲HONDA PCX Electric


以上、本日のコラムでは、東京モーターショー2017において、HONDAが提案した電動自動車について取り上げました。これまで、電動自動車業界であまり目立ってなかったHONDAですが、コンセプトモデルを中心に、近い将来の販売を想定した電動自動車を多数展示しており、今後のリリースがとても待ち望まれます。期待して、HONDAから、EV、PHEVが発売されるのを待ちたいと思います。

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